■弟登場に驚いた『金田一少年の事件簿』の佐木竜太

 1992年に『週刊少年マガジン』で連載が始まった天樹征丸氏・金成陽三郎氏・さとうふみや氏による『金田一少年の事件簿』は、アニメ・実写ドラマとあらゆる媒体で軒並み大ヒットを記録した推理漫画だ。

 アニメと漫画で犯人が変わっている事件もあるが、大まかな流れは基本的に変わらない。そんな中、アニメでは生存しているのに漫画では不運にも死亡してしまったキャラがいる。

 それが、主人公・金田一一の後輩である佐木竜太だ。彼はミステリー研究会に所属するカメラオタクで、常に何かを撮影しているという個性的なキャラだった。しかしその映像に解決のヒントが映っていることもあり、金田一たちにとっては大切な存在だ。

 だが、「異人館ホテル殺人事件」で撮影した映像に偶然殺人トリックが映っていたことで犯人に命を狙われてしまう。そして、犯人の襲撃を受けた佐木の運命は、アニメと漫画で異なっていた。アニメでの佐木は意識不明のまま救急搬送され、最後に息を吹き返す。そして、その後の作品にも登場していく。

 一方、漫画では助からず命を落としてしまう。代わりのいないポジションのキャラだった佐木が退場することになったわけだが、なんとその後「金田一少年の殺人」で瓜二つの弟・竜二が登場。

 兄と同じくカメラオタクの竜二は、「夢に死んだ兄が出てきて力になれと言われた」と助手を買って出るようになる。外見があまりにそっくりなうえにポジションも同じなので、もはや佐木兄弟は同一人物でもおかしくないレベルであった。
 
 アニメで見せる元気な姿と裏腹に、漫画では悲しい死を遂げていたキャラたち。彼らのファンからすれば複雑な気持ちになってしまうかもしれない。とはいえ、漫画もアニメもそれぞれの良さもある。片方しか見たことがないという人は、チェックしてみてはいかがだろうか。

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