アニメ作品にとって、第1話目は視聴者にどんなアニメかを伝える「つかみ」の回として重要な意味を持つ。そしてロボットアニメにとっての「つかみ」と言えば、やはり初戦闘だろう。
それは歴代『ガンダム』作品にも当てはまる。初戦闘のシーンは、その作品を表す象徴的なエピソードになることが多い。
そこで、本記事では、『宇宙世紀』を代表するテレビシリーズの主人公「アムロ・レイ」「カミーユ・ビダン」「ジュドー・アーシタ」の3名の初操縦を比較。それぞれの主人公が、どのような戦いぶりを見せたのか振り返っていこう。
■リアルな戦争描写……そしてアムロの神操縦に震える
記念すべき『ガンダム』シリーズの一作目となるのが、アニメ『機動戦士ガンダム』。その主人公・アムロの初操縦シーンは、第1話「ガンダム大地に立つ!!」でさっそく訪れる。
辺境のコロニー「サイド7」に突如現れたジオン公国軍のザクII。そのうちの1機がコロニー内で攻撃を開始し、住民にも死傷者が出ていた。そんななか、アムロはたまたま連邦軍の極秘マニュアルを拾い、放置されていたガンダムに乗りこむ。
ガンダムのコクピットでマニュアルを軽く見ながら操縦方法を調べるアムロ。そしてガンダムを起動させると「すごい……5倍以上のエネルギーゲインがある」と驚き、「やってみるさ」と言いながらハッチを閉じた。
コクピット内で発進準備を行うアムロの動作を見るだけで、これまでのロボットアニメとは一味違う、リアリティが感じられた。
ガンダムは、ザクIIのザク・マシンガンをまともに食らいながらも大した損傷は見られず、アムロはガンダムを立ち上がらせる。そしてマニュアル片手にバルカンで攻撃を行うが、すぐに弾切れを起こした。
そこに1機のザクIIが不用意に近づくと、アムロはガンダムでザクIIにつかみかかり、頭部の動力パイプを引きちぎる。さらに退避しようとするジーンが乗るザクIIに襲いかかると、ガンダムのビーム・サーベルでザクIIの胴体を真っ二つに斬り裂いた。
そのときの大爆発でコロニーが損傷したのを確認したアムロは、続いて迫ってきたデニムのザクIIのコクピットだけを正確に狙い、ビーム・サーベルで貫く。こうしてザクIIを爆発させることなく、無力化することに成功した。
初操縦でいきなりガンダムを起動しただけでなく、コロニーへの被害まで考えた戦い方を模索。それを実際に実行してみせたのはすごすぎる。いくらアムロが機械いじりの得意な少年とはいえ、初戦から神がかった操縦を見せたことに驚かされる。