■『ポケットモンスター』ポケモンリーグ四天王
全国各地のジムを回って、さまざまなポケモントレーナーと戦い、「四天王」と呼ばれる四名のポケモンリーグ公認の実力者や、チャンピオンに挑むのが『ポケットモンスター』のストーリーだ。
初代『ポケットモンスター 赤・緑』から、最新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』まで、この流れは踏襲されており、「四天王戦からが本番」といった難易度に調整されていることが多かった印象。そのため、ポケモンリーグ四天王に苦しんだ人は多かったのではないだろうか。
四天王戦では、一度部屋に入ると全員倒すか、敗北するまで出ることができない。当然、ポケモンセンターで回復することも不可能だ。初代『ポケモン 赤・緑』でさえ、四天王戦に突入するとアイテムの消費が段違いに多くなる。
また、タイプや性質の違う4人のトレーナーが相手となるので、タイプ相性以外にも、状態異常タイプであったり、高耐久でじわじわ攻めてくるタイプであったりと、さまざまな戦闘スタイルに対応しないといけない。
そのため四天王とのバトルは、多くのシリーズで苦戦を強いられる鬼門になる。そして、だからこそ『ポケモン』のシステムを一番深くまで体験できる場面とも言える。
個人的にはニンテンドーDS『ポケモン ダイヤモンド・パール』の四天王が、とくに手強かった印象がある。各四天王とタイプの違うポケモンがしれっと混ざっていたり、強力なアイテムを装備していたりもした。
中でも四天王の「ゴヨウ」は、全体的に耐久力が高いポケモンが多いため、先制を狙って一撃で倒すタイプの戦い方が通用しにくい。手持ちのポケモンも、弱点が少ない「ふゆう」とくせいの「ドータクン」や、「じこさいせい」「きあいだま」持ちのフーディンなど、長期戦になるほど不利になりそうな、やっかいな相手がそろっていた。
このようにポケモンリーグ四天王戦は、作品によっては全快した状態で戦えるチャンピオン戦以上に苦戦することも十分にありえた。