■よく見ないと見逃しちゃう?劇場版にチラッと出演した有名俳優
最後はスピンオフを含めて6作品が制作された劇場版を振り返りたい。初劇場版は、1998年公開の『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』だった。物語の終盤、青島刑事は副総監拉致事件の犯人を追い詰めるも、犯人の母親に刺されてしまう。
何とか一命を取り留めた青島刑事は病院でリハビリをするのだが、このときに登場した看護師役がブレイク前の木村多江さんなのである。演技の安定感はさることながら、20代だった当時から現在まで変わらぬ若々しさと美しさに驚いてしまう。
2003年公開の2作目『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』では、子役として絶賛売り出し中だった神木隆之介さんが印象的だった。
演じていたのはスリ家族の長男役。署で保護された後、すみれに貰ったおにぎりを食べ、「わあ! 黄色レンジャーだ」と満面の笑みを見せるシーンは「かわいい」の一言に尽きる。また、彼の妹役でありすみれが銃を持った犯人から身を挺して守った少女・里香子を演じていたのは、AKB48グループ3代目総監督を務めた向井地美音さんである。彼女もまた、非常にかわいらしかった。
意外なキャスティングは彼らだけではない。なんと、若かりし頃の佐々木蔵之介さんと眞島秀和さんも捜査員として出演しているのだ。二人とも会議室に大勢集まった捜査員の一人というチョイ役なのだが、セリフも言うシーンもあるのでぜひ探してみてほしい。
最後は、2005年公開のスピンオフ『容疑者 室井慎次』。この作品には、ブレイク前の田中圭さんが出演していた。演じていたのは食品輸入代理店に勤務する黒木孝夫なのだが、なんと冒頭でいきなり殺され死体になるという斬新な登場。だが、物語が進むと回想シーンでファンにとっては“お宝”な若々しい水着ショットの映像も見られる。
当時はまだ世間に名前が浸透していなかった俳優が多いが、今改めて振り返るとキャスティングの豪華さに驚く『踊る』シリーズ。現在は再放送もなくなったが、見るチャンスがあればチョイ役で登場していた俳優探しをするのも面白いかもしれない。