■スペシャルドラマには主役級俳優も出演

 テレビドラマの終了後、単発でスペシャルドラマが放送され、さらに人気を集めた『踊る』シリーズ。ゲストもそれに応じて注目を集めていくが、特に1997年放送の『踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル』を振り返ると、豪華な名前が並んでいて驚いてしまう。

 印象的だったのが広末涼子さんだ。広末さんは当時、17歳の売れっ子アイドル。1996年にポケベルのCMで時の人となり人気ドラマに多数出演、1997年にはデビューシングル『MajiiでKoiする5秒前』が空前の大ヒットを記録するという、もっとも勢いのある頃だった。

 演じていたのは、反町隆史さんのライブチケットをカツアゲして捕まった不良少女役。補導歴のある不良というには透明感がありすぎて、かなり目立っていたのを覚えている。

 現金輸送車を襲う強盗犯を演じた古田新太さんも忘れられない。青島刑事にあっさり捕まって退場したが、今と変わらない安定した演技力を見せていたのはさすが古田さんである。

 さらに、ブレイク前の俳優の中では伊藤英明さんもインパクトが強かった。1994年のデビュー後に一時芸能界を離れていた伊藤さんは、テレビドラマ版『踊る』が放送された1997年に活動を再開したばかりでまだ知名度も低かった。

 演じていたのはすみれの合コン相手・藍原誠治。作中で、すみれがたびたびデートをドタキャンしていた人物だ。物語終盤でメガネをかけて現れた伊藤さんのイケメンぶりに、心を奪われたという視聴者は筆者だけではないだろう。

 18歳の仲間由紀恵さんもまた、同作の中で初々しい演技を見せていた一人だ。当時仲間さんは俳優としてのキャリアを踏み出したばかりだったが、殺人現場の目撃者という重要な役を感情豊かに表現し、存在感を放っていた。

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