『ドラゴンクエスト』シリーズにおいて、倒した際に大量の経験値をくれる魔物といえばメタル系のモンスターだ。とくにファミコン世代にとって、『ドラクエ4』でメタルキングが登場するまで、出会いたい魔物ナンバーワンは「はぐれメタル」であり、出会ったからには絶対逃したくない相手だった。
最近のシリーズでこそ「メタル狩り」に特化したスキルなども登場して倒しやすくなったが、ファミコンの時代は倒すための攻略手段も限られていた。
また、当時はインターネットなどなかった時代なので、どうやったら逃がさずに狩れるのか、いろんな方法を試してみたり、友だちと情報交換をしたりと試行錯誤したものである。
そんなファミコン時代のレベル上げの醍醐味だった「メタル狩り」において、とくにお世話になった手段を振り返ってみよう。
■ドラゴンの炎で焼きつくす
『ドラクエ3』のはぐれメタルは、HPが6程度。呪文は効かず、守備力は1000を越えており、攻撃が当たっても1ダメージしか与えられない。それなのに、すぐに逃げてしまう習性があるので、倒すのは至難の業だった。
そんななか、頼りになったのが「ドラゴラム」の呪文だ。ファミコン版『ドラクエ3』のドラゴラムだけは特殊な性質を持っていて、どんな相手にも守備力を無視して最低でも50%分のダメージを与えることができた。
つまり、敵が逃げる前にドラゴラムでドラゴンに変身し、炎を吐くことさえできれば、はぐれメタルだろうと確実に一掃することが可能なのである。
ただし、ドラゴラムは変身するだけで1ターンを消費するうえに、次のターンも行動順ははぐれメタルよりも後になりがち。2ターンの逃げる隙を与えてしまうのが難点ではある。そこで、はぐれメタルが大量出現した場合は、一か八か、仲間に「ピオリム」の呪文ですばやさを上げてもらうのも手だった。
なお、はぐれメタルを1体倒した際に得られる経験値は40200(4人パーティの場合は1人あたり10050)。確かにばく大な経験値だが、ファミコン版『ドラクエ3』は、一戦あたりに得られる経験値の上限が「65535」と決まっているので、一気に2体以上のはぐれメタルを倒しても、得られる経験値は変わらなかった。
■まさかの固定ダメージが効果絶大
ファミコン版『ドラクエ4』では、ドラゴラムの炎で無条件にメタル系モンスターを倒すことはできなくなり、かわりに確実に1ダメージを与えられるように変更された。
そんな下方修正を受けた『ドラクエ4』のドラゴラムよりも圧倒的に効率の良いメタル対策が、道具の「せいすい(聖水)」を使う方法だ。
『ドラクエ4』のせいすいは、敵に使用すると固定ダメージが発生する。せいぜい十数ダメージを与える程度なので、普通の魔物にはあまり意味はないが、HPが低く守備力が高いメタル系の魔物には、まさに特効薬である。
自由にアイテムを使えるのは主人公だけなのがやっかいだが、それでもせいすいによるメタル狩りは、レベル上げの効率を飛躍的に上げてくれた。
会心率の高いライアンの「まじんのかなづち」、2回攻撃が可能なアリーナの「キラーピアス」、メタル系に確実に2ダメージ与える「はぐれメタルのけん」などの武器と併用すると、さらに効率良く狩ることができた。