■猟奇的?ウルトラマンレオを殺害した「星人ブニョ」

 最後に紹介するのは、『ウルトラマンレオ』(1974年放送開始)に登場した恐ろしい敵です。故郷の星をマグマ星人に滅ぼされたウルトラマンレオは、地球にやってきて「おおとりゲン」として生活。モロボシ・ダンの推薦で防衛チーム「MAC」に入隊以降は、地球防衛のために戦いました。

 同作に登場した恐るべき敵の名は「星人ブニョ」。第50話「レオの命よ! キングの奇跡!」に登場した円盤生物で、自ら「力はないが知恵はある」と語った異色の存在です。案の定、ゲンと初遭遇時に空手でボコボコにされますが、ブニョは狡猾なワナを仕掛けました。

 人質をとったブニョは、ゲンを宇宙ロープで捕縛してブラック司令のもとに連行。その後、レオに変身できたものの宇宙ロープに縛られたせいで巨大化はできず、なすすべもなくブニョから暴行を受けます。

 そのまま氷漬けにされたレオは、宇宙ノコギリで全身をバラバラにされてしまいました。笑みを浮かべながらレオの体を切り刻むブラック司令とブニョの恐ろしい姿は、まさにトラウマもの……。

 こうしてバラバラになったレオの体はさびれた墓地に捨てられ、ゲンのことを慕っていた少年・梅田トオルがそれを発見するという展開も怖すぎました。

 結果的にウルトラマンキングがレオを復活させてくれますが、墓穴に入っていたレオのバラバラの死体がうごめいて、蘇生するという描写もかなり生々しかったのを覚えています。

 ウルトラシリーズを通して観ても、この『ウルトラマンレオ』の回ほどの猟奇的な描写はなかなかお目にかかれないと思います。また星人ブニョの人間の姿を演じた故・蟹江敬三さんの怪演も光り、いろいろな意味で恐怖を感じたエピソードです。

 昭和時代のウルトラシリーズには、このほかにもさまざまな恐怖回が存在します。当時の視聴者であれば、いまだに忘れることのできないトラウマ級の怪獣や星人の記憶があるのではないでしょうか。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4