■高額だけれどデザインは一見の価値あり!『スーパー桃太郎電鉄DX』メカボンビーRX

 鳥山さんがデザインするキャラクターといえば、RPGやアクションのようにバトル要素の強いものが多いイメージを抱くかもしれない。だが一方で、誰もが知っているある“ボードゲーム”のキャラクターもデザインしていたりするのだ。

 それこそ、1995年に発売されたスーパーファミコンソフト『スーパー桃太郎電鉄DX』である。『桃鉄』シリーズの第5作目にあたる本作では、シリーズ恒例の貧乏神・“キングボンビー”に対抗する手段として、高額でロボットを購入することができる“メカボンビー”というシステムが導入された。

 金額によってグレードが異なるメカボンビーなのだが、このなかでもとくに高額な“メカボンビーRX”のデザインを手掛けたのが鳥山さんだった。

 メカボンビーRXは本家キングボンビー同様に白と赤のカラーを基調にしつつも、腕や眉毛に輝かしい金の装飾が映えるデザインとなっている。その出で立ちはまさに“戦隊メカ”といったテイストで、ベルトに煌々と輝く“RX”の文字がなんとも頼もしい。

 このメカボンビーRX、お値段は億単位とかなりの高額ではあるが、高確率でキングボンビーを撃破することができ、資産のロストを回避することができるのだ。

 メカボンビーシステムはのちのシリーズにもたびたび導入されており、鳥山さんデザインの“メカボンビーRX”も、後継作に幾度となく登場している。

 とくに後継作ではグラフィックもCGで表現されるようになったことから、より立体感と迫力の増した姿を拝めるのは嬉しい。そのいつもとはちょっと異なったマスコット的なメカデザインに、鳥山さん作とは気付かなかったファンも多いかもしれない。

 

 人間やマスコットキャラクター、メカにモンスターと、漫画のみならずさまざまなシーンでデザインを手掛けてきた鳥山さん。どんなジャンルの作品でも違和感なくデザインが溶け込んでいることに、あらためて鳥山さんの高い実力を感じざるをえない。

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