『超速変形ジャイロゼッター』や『スーパー桃太郎電鉄』にも登場!「鳥山明デザイン」が活きるゲームキャラクターたちの画像
『ドラゴンボール』公式サイトより、鳥山明さんの自画像 (C)バード・スタジオ/集英社

 国民的人気漫画『ドラゴンボール』の作者としてお馴染みの漫画家・鳥山明さん。今年3月に訃報が報じられ、日本のみならず世界中が悲しみに包まれた。

 鳥山さんといえば、先に挙げた『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』などの名作漫画のほか、『ドラゴンクエスト』、『トバルNo.1』、『ブルードラゴン』といった数々のゲーム作品のデザインを手掛けていることでも知られている。

 今回は、漫画界のレジェンドが手掛けた意外なキャラクターたちについて見ていこう。

■変形“メカ”で活きる高いデザインセンス…『超速変形ジャイロゼッター』BEEMAN500

 鳥山さんといえば躍動感あふれる作画が有名だが、作中に登場する“メカ”の緻密な書き込みについても忘れてはいけない。そんな鳥山さんの卓越した“メカデザイン”が存分に活かされた作品といえば、2012年より稼働したスクウェア・エニックスが贈るアーケードカードゲーム『超速変形ジャイロゼッター』だろう。

 さまざまな自動車から変形したロボット同士が戦うバトルゲームで、実在する車種もロボットとして登場するのが特徴だ。のちにアニメも放送された人気作品で、プレイ中に筐体が変形するギミックが実装されていたりと、業界初の試みもプレイヤーを魅了した。

 個性的な変形ロボが多数登場する本作だが、なかでも鳥山さんが手掛けたのが、黄色い車体が特徴の“BEEMAN500”だ。

 普段は小型の軽トラックに似た姿をしているのだが、ひとたび変形すると黄色と黒のコントラストが鮮やかな人型のロボットになり、巨大な“ピコピコハンマー”を武器に戦う。

 名前の“BEE”が指し示すように昆虫の“蜂”がモチーフとなっており、細長く節を持った手足や、羽に見立てて展開されたドアなど、元となった車の部品をロボットの各部位に用いた絶妙なデザインが特徴的だ。

 赤く光る眼光はどこか凶暴そうでありながら、一方で丸みのあるシルエットやコミカルな武器からは独特の愛嬌も伝わってくる。

 BEEMAN500はのちに放映されたテレビアニメにも登場しており、43話にて登場人物の一人・リカコが操縦することとなった。鳥山さんが持つ“メカ”への作画センスが光る、かっこよさと愛くるしさを融合したロボットキャラクターだ。

■孫悟空に立ちはだかるのは凶悪な半魚人!? 『ファミコンジャンプII 最強の7人』ダークレイド

 鳥山さんの代表作といえばやはり『ドラゴンボール』だが、その圧倒的な人気から数々のゲームが生み出され、なかにはほかのジャンプ漫画とコラボした作品も登場している。

 1991年にバンダイ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたファミコンソフト『ファミコンジャンプII 最強の7人』も、そんなコラボ作品の一つだ。

 本作は『ドラゴンボール』をはじめ、当時のジャンプを代表する人気作品たちが集結。孫悟空、タルるート、空条承太郎、ターちゃん、剣桃太郎、前田太尊、両津勘吉といった“ジャンプヒーロー”たちが一丸となり、戦いを繰り広げていく。

 本作はコマンド選択式のRPGなのだが、『ドラゴンクエスト』シリーズでもおなじみの堀井雄二さんが監修していることでも有名な作品である。

 鳥山さんは『ドラゴンボール』関連のキャラだけでなく、プレイヤーに立ちはだかる“敵キャラクター”も手掛けており、オリジナルのデザインを披露している。

 なかでも、物語の根幹にも大きくかかわるボスキャラクターである“7大将軍”の一人・ダークレイドのビジュアルはインパクトがすごかった。“半魚人”の姿をした将軍で、うろこに覆われた緑の体と鋭い眼差し、口からはみ出た巨大な牙が特徴となっている。イラストではこちらを睨みつけつつ、武器でもある牙を見せながら不敵に笑う姿が描かれていた。

 ちなみにこの“7大将軍”、プレイヤー側のヒーローを手掛けた漫画家が各デザインを担当しており、オリジナルキャラでありながら作者ごとの“色”がしっかりと反映されているのは面白い点だろう。

 RPG作品とのコラボということで、どこか『ドラクエ』テイストなデザインにニヤリとしてしまったプレイヤーも多いのではないだろうか。

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