2024年4月に70歳を迎えた、映画スターのジャッキー・チェン。筆者も長年大ファンで、我が子たちも大好きである。
そんなジャッキーがアクション俳優として日本で人気を博したのは、1980年代のこと。1991年にはハドソンからPCエンジンとファミコンで『ジャッキーチェン』という名前を冠したゲームまでも発売されており、即購入を決意したものだった。
さて、カンフーレジェンドのジャッキー・チェンがゲームでどのように描かれていたのか、当時のジャッキーを懐かしみながら振り返ってみたい。
■当時はアイドル並の大人気! ジャッキーになりたかった子ども時代
1980年頃のジャッキーといえば、『ドランクモンキー 酔拳』(1979年)を皮切りに、『プロジェクトA』(1984年)、『スパルタンX』(1984年)、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985年)など、名作映画への主演を次々と果たしている。
普通のアクション映画と違うのは、アクションの合間にコミカルさを演出し、ジャッキー自身もとんでもないスタントシーンをこなしてしまうところだろう。上記に紹介した作品は、とてつもなく面白く、まさにどれも代表作といえる。
当時、ジャッキーは日本でもアイドル並みの人気を誇っており、1987年には国立競技場で明石家さんまさんや木梨憲武さんら日本の芸能人チームとサッカー対決をし、盛り上げてくれたものだ。
小学生だった筆者は映画を見終わるたびに大興奮。「ジャッキーになりたい……!」と憧れては、人知れず身体を動かしたくなったもの。これは同時代を過ごしてきた人から共感を得られるかもしれない。
だが、エンドロールで流れるNGシーンの数々……。危険なスタントを命がけで本人がおこなっているのを目にして、これはとても真似できないものだと痛感した覚えがある。
■主人公はジャッキー・チェンで敵を倒して恋人を救う王道アクションゲーム
さて、ゲーム『ジャッキー・チェン』は、さらわれた恋人を救うため、大妖術師“無常童子”と戦うストーリーだ。これはPCエンジン版・ファミコン版ともに共通しており、両機種とも基本操作は同じだが背景や敵の配置そのものは異なっている。
当時、筆者はファミコン版を所有していたが、友人宅でPCエンジン版を遊ばせてもらい、その違いに驚いたものである。どちらかをクリアしても、まったくの別物として楽しめていた。PCエンジン版のほうがグラフィックがリアルに感じられたが、ファミコン後期なだけあってファミコン版のグラフィックも綺麗だった。
本作は難易度もそれなりに高く、アクションゲームとしての完成度もかなり高い。すでにスーパーファミコンが登場していた1991年当時、ファミコン全盛期は過ぎ去っていたのだが、それでもとても面白く遊べた。まさに王道のアクションゲームといえるものだった。