■小日向文世は2回出演している!
現在では主演もこなす名バイプレーヤーの小日向文世さんは、本作に2回、別の役で出演している。1回目は、第3シリーズの第7話の「哀しき完全犯罪」だ。小日向さんは被害者の小田嶋佐吉役で登場していて、田中美佐子さん演じる妻の女流棋士・さくらに殺されてしまう。小日向さんといえば木村拓哉さん主演の『HERO』のイメージも強いが、このエピソードはそれよりも前。嫌味っぽく憎たらしい役どころで、小日向さんはさすがの演技力で見事に演じ切っていた。
また、小日向さんはシリーズの最終作となるスペシャル「ラスト・ダンス」にも出演している。このエピソードでは、作中に出てくるドラマ『鬼警部ブルガリ三四郎』の主演俳優としての登場だった。被害者役だった小日向さんが、再び本作に登場したことに胸を熱くする古畑ファンもいたことだろう。
「ブルガリ三四郎」は古畑任三郎をパロディにしたようなキャラで、小日向さんは古畑任三郎のモノマネを大げさになり過ぎない範囲で披露している。三谷さんによる遊び心たっぷりなキャラを実にコミカルに演じていた。
■被害者役にも意外なキャスト!
実は小日向さん以外にも、被害者役には意外な大物たちが名を連ねている。伊集院光さんや板尾創路さん、及川光博さん、角野卓造さん、栗田貫一さんなど、バラエティ豊かな人物がキャスティングされていたのだ。特に「すべて閣下の仕業」で被害者役を演じた及川光博さんは、このエピソードで大使館の参事官を演じており、序盤で退場するにもかかわらず「かっこよすぎる」「美しい」と話題になっていた。『古畑任三郎』シリーズを観る時には犯人役だけでなく被害者役にも注目してみると、新たな発見があって面白いかもしれない。
『古畑任三郎』シリーズは古畑任三郎と犯人の心理戦が魅力の作品だが、そのキャストも見どころのひとつだ。犯人役以外にも松さんや小日向さんなど豪華な顔ぶれが出演していて、いま見ると放送当時とは違った楽しみ方ができる。放送開始30周年を迎えてもなお愛され続ける名作、ぜひこの機会にあらためて視聴してみてはいかがだろうか。