最新主演映画『Cloud クラウド』も公開! 『銀魂』に『暗殺教室』も… 菅田将暉が実写化作品で見せた「キャラを活かす名演技」の画像
菅田将暉  写真/ふたまん+編集部

 俳優の菅田将暉さんは、数多くの受賞歴を持つ名優のひとりだ。俳優以外にもアーティストとしての才能を開花させて、マルチに活躍している。

 9月27日からは、最新主演映画の『Cloud クラウド』も公開される。本作は黒沢清監督によるサスペンススリラーで、この秋の注目作となっている。

 そんな菅田さんが出演した作品には、漫画実写化のドラマや映画が多い。特に、田村由美さん原作の『ミステリと言う勿れ』は、近年の漫画実写化の中でも話題となった作品で、映画化もされている。菅田さんは主人公・久能整を演じ、その独特のたたずまいに多くの人たちがひきつけられた。

 ほかにも菅田さんが原作の役柄を見事に再現した作品は多数ある。そこで今回は、これまでに菅田さんが出演した漫画実写化の作品を振り返っていきたい。

■破天荒キャラをまとめるツッコミ役『銀魂』志村新八

 まず、絶対に外せない作品が、空知英秋さんによる『銀魂』(集英社)の実写化映画だろう。原作漫画はギリギリを攻めるギャグで有名だが、実写版のキャストはかなり豪華で、「こんな俳優陣にこんなことをやらせるの?」と思えてしまうほどだ。

 菅田さんが演じているのは志村新八で、全キャラへのツッコミ役としてかなり重要な立ち位置にある。やりたい放題の破天荒なキャラが多い中、新八が彼らを冷静にさばいているからこそ面白さが生まれるのだ。少しでも間がずれてしまうと面白くなくなってしまうが、その点、菅田さんの間合いは絶妙だった。

 さらに、他のキャラと同じように自身がふざけるシーンもあって、緩急のバランスもさすがのひとこと。新八に菅田さんを起用しようと考えた福田雄一監督も、現場で菅田さんが「『当たり役、来た!』って喜んでいた」「何一つ悩むことなく楽しそうにやっていました」と明かしている。

 また、アニメ版の声優である阪口大助さんも「菅田くんの新八は完璧だった」と絶賛。菅田さんはアニメ版の新八を参考に役づくりをしたそうで、喜びもひとしおだっただろう。

 映画シリーズは2017年に『銀魂』、2018年に『銀魂2 掟は破るためにこそある』が公開され、両作共に興行収入が30億円を超えている。ギャグ寄りの実写化作品でこの数字はかなりスゴい。ストーリーが面白いのはもちろん、菅田さんをはじめとした豪華キャストによって原作キャラの個性が活かされているからこその結果なのだろう。

■熱き心を持つ天才数学者『アルキメデスの大戦』櫂直

 次は三田紀房さんによる『アルキメデスの大戦』(講談社)の実写化映画を紹介したい。これは第二次世界大戦前の、日本帝国海軍の新型戦艦建造計画をめぐる物語である。菅田さんは、天才数学者である櫂直の役を演じ、戦艦建造にかかる費用の算出をして不正を暴いた。

 この役の見せどころは、天才数学者としての立ち居振る舞い、そして軍隊という組織と対峙する姿である。菅田さんの演技は、観客の心をつかむ、圧倒的なものであった。特に、板書しながら計算して長セリフを言うシーンは圧巻で、難解な数式や用語を暗記していたというから驚かされる。菅田さん本人も撮影を振り返って「人間として限界まで戦った感じがあります」と語っており、その大変さが垣間見えた。

 なお、本作でメガホンを取ったのは『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督で、VFXの技術を駆使したシーンの数々も大きな見どころだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3