『ロング・ラブレター〜漂流教室』は2002年にフジテレビ系列で放送されたテレビドラマだ。ホラー漫画の巨匠・楳図かずおさんの70年代の名作『漂流教室』を実写化し、オリジナル展開の作品に昇華させたドラマとして記憶している人も多いはず。実は本作のキャストには当時のブレイク間近の俳優が多数起用され、今では主演俳優になった者も少なくない。
原作漫画の「荒廃した未来へ学校ごとタイムスリップしてしまう」という設定を活かしながら、オリジナル展開で描かれる物語はハラハラドキドキの連続である。現在の主演級俳優のフレッシュな演技を見ることもできるため、ぜひおすすめしたい名作ドラマだ。今回はそんな本作の豪華なキャスト陣を振り返っていこう。
■常盤貴子さんと窪塚洋介さんのダブル主演!
本作で主演に起用されたのは、2002年には主演女優としての地位を確立していた常盤貴子さんと、当時最も勢いのある俳優のひとりであった窪塚洋介さんだ。常盤さんはたまたま事件に巻き込まれてしまう生花店の店員・三崎結花役を演じ、窪塚さんは生徒たちを守るために奮闘する数学教師・浅海暁生役を演じていた。
常盤さんは当時まぎれもないトップ女優で、2000年に主演を務めたドラマ『Beautiful Life〜ふたりでいた日々〜』(TBS系)は30%を超える平均視聴率をマーク。そんな中出演した『漂流教室』もまた、彼女の代表作のひとつとなった。
もう1人の主演である窪塚さんも、2000年のドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)のタカシ役で注目を集め、2001年の主演映画『GO』では日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得。若手俳優の中でもトップクラスの人気を獲得していた。
それまでは奇想天外なキャラを演じることも多かった窪塚さんだが、恋愛に悩んだり生徒思いの姿を見せたり、等身大の高校教師を演じる姿はとても新鮮だった。
■山下智久さんや妻夫木聡さんなど主演級の俳優の若かりし姿
本作は主役のふたり以外にも、今見ると豪華すぎるキャストがズラリ。山下智久さん、香里奈さん、妻夫木聡さん、水川あさみさんなど、今では主演級の俳優たちが初々しい演技を見せている。
山下さんが演じたのは、頭の回転は速いが問題児である大友唯だ。最終盤の重要なシーンとして、大友が砂漠に現れた地割れを同級生を背負ったまま飛び越える場面は印象的だった。
当時の山下さんは大注目のイケメンアイドルで、ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』や『カバチタレ!』(フジテレビ系)といった話題作に出演。日本を代表する俳優へと上り詰めていく「助走」の時期だったともいえる。
香里奈さんが演じたのはクラスのマドンナ・舞岡あずさ。そのプライドの高さから生徒たちの中で大混乱をもたらすトラブルメーカーでもあり、香里奈さんは生意気で高飛車なキャラを好演した。
さらに、現代に残された、未来の結花の声が時々聞こえるという重要キャラ・藤沢隆太役には妻夫木聡さん、同じく現代に残った生徒・一ノ瀬かおる役には水川あさみさんが起用されている。
妻夫木さんは2001年の映画『ウォーターボーイズ』で大ブレイク。本作では未来と現代をつなぐ重要なキャラをさわやかに演じた。一方の水川さんも当時18歳ながら、現在にも通ずる確かな演技力を見せている。
そのほか、人気モデルとして知られる鈴木えみさん、『ハンチョウ〜警視庁安積班〜』シリーズなどで知られる福士誠治さん、連続テレビ小説『どんど晴れ』でも話題になったイケメン俳優の内田朝陽さんも生徒役で出演している。