■またまた生き返るフラグのセリフ「俺の名は…」
「俺の名は○○」という決め台詞は数多くの漫画やアニメに登場し、クールな印象を残す。『魁!!男塾』でもそれは同じなのだが、カッコいいセリフを口にして散った後必ず生き返るのでやはり笑ってしまう。
まず驚邏大四凶殺にて飛燕と戦った富樫は、飛燕を道連れにして崖から飛び降り「地獄へいっても忘れんじゃねえ!!俺の名前は富樫源次!!」と叫び谷底に消えていく(しかしその後復活する)。
また月光と戦い瀕死を負った虎丸も「忘れねえでくれ 俺の名は虎丸龍次」「今度生まれかわってくる時も 桜花咲く男塾の校庭で会おうぜ」と言って岩に押しつぶされて死亡する(しかしその後復活する)。
このように男塾では死の間際の「覚えておけ俺の名は…」というカッコいいセリフが登場するのだが、その後何事もなく復活するのでどうにも心に響かないのである。
■男塾といえばこのセリフ「男とはなんぞや」
最後に『魁!!男塾』の有名なセリフである「男とはなんぞや」を紹介したい。このセリフを言ったのは、鎮守直廊三人衆の一人で万針房の番人である独眼鉄である。
招待状を受け取って天動宮へ向かった桃太郎たち。しかし扉の先には針の筵に座る独眼鉄の姿が。そこで独眼鉄は「男とはなんぞや………!?」「命とはなんぞや………!?」と桃太郎達に迫る。巨大なヨーヨーのような武器で富樫を攻撃しつつ「男とはなんぞや」を問う独眼鉄。富樫は「これが富樫源次の男じゃーっ!!」といって独眼鉄に強烈な蹴りを喰らわすのであった。
結局「男とはなんぞや」の答えは明確に出ないまま物語は進む。一体男塾ワールドにおける男とはなんなのか……。男塾における謎多き名ゼリフである。
『魁!!男塾』は連載当時には真面目なバトル漫画として知られていたが、令和時代になって再読すると、少々ギャグマンガの要素も感じられる。メンバーが硫酸地獄に落ちて死んでもすぐに復活するなど、非現実的な展開がとても多いのだ。
しかしそんな展開でも熱くカッコよく、真面目に描かれていることが本作の魅力。キザでカッコいいセリフもいろいろな意味で楽しめるのがこの漫画の良さである。