「Nitendo Switch後継機」発売で注目? 任天堂の歴代ハード末期にひっそり登場した「遅れてきた名作」たちの画像
ファミコン時代に発売された名作ソフトたち(編集部撮影)

 スマホゲームに押されがちだった昨今のゲーム業界に、ゲーム機の存在感を示したNintendo Switch。2017年3月の発売以来、日本国内だけで3400万台、全世界累計で1億4000万台となる販売数を記録したSwitchの後継機について、2025年3月までに発表されると任天堂が明言し、ゲームファンの間で大きな話題になっている。

 Switchの後継機がどのようなハードになるか、またどのようなタイトルが発売されるのか期待が集まる一方、ハードの移行時期に注目するべきは、現行機で今後発売されるゲームである。

 1993年3月に発売されたファミリーコンピュータの『星のカービィ夢の泉の物語』、1996年11月に発売されたスーパーファミコンの『スーパードンキーコング3』など、ハードの末期に世に放たれたゲームは、そのハードのスペックの限界を活かした名作ゲームが登場するものだからだ。Switchでもそうしたタイトルが今後登場することは、十分に考えられる。

 ただ、ハード末期に登場した名作たちは、次代を担う新ハードの陰に埋もれて、スポットを浴びることなく終わるケースも少なくなかった。そこで今回の記事では、そういった、任天堂ハード末期にひっそりと登場した名作ゲームを、ハード別に振り返っていきたい。

■ファミコンの本格格闘ゲーム『ジョイメカファイト』

 まずは1993年5月21日に任天堂から発売された、ファミリーコンピュータ用ソフト『ジョイメカファイト』。スーパーファミコンが1990年に発売され、ゲームの時代は次の世代へと移り変わっていたファミコン最終期に発売されたタイトルだ。

 本作は2体のメカが戦う対戦格闘ゲーム。当時は、アーケードで生まれた『ストリートファイターII』が1992年にスーファミにも移植され、格ゲーが大ブームとなっていた時期だった。『ジョイメカファイト』は、ファミコンにおける格闘ゲームの完成形のような名作となっている。

 コマンド始動の技や、1対1を基本としたゲーム性など、『スト2』を意識している面も見られ、実際にゲーム性はかなり近い。メカの基本動作にはパンチ、キック、強パンチなどが用意されており、そこに固有の必殺技を駆使して戦うといった具合だ。

 グラフィックはもちろんスーファミほど精密なドット絵ではないが、メカの関節の接続部分をあえて描かないことで動きを大胆に大きく表現しており、コミカルにヌルヌルと動く。各メカの動きは、ファミコンとは思えないスムーズさであり、他作品ではなかなか見られないクオリティに仕上がっているといえるだろう。

 トレーニングモードの実装や、全36体にも及ぶプレイアブルキャラクターは、『スト2』で欲しかった要素を取り入れたかのようでもあった。

■スクウェアRPGの最終形態 スーパーファミコン『ルドラの秘宝』

 スーパーファミコン時代にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたRPGは、美しいドットグラフィックが魅力的なタイトルばかりだったが、スーファミ末期となる1996年4月5日に発売された『ルドラの秘宝』はその最高峰である。

 ドット絵の綺麗さは、スーパーファミコンでのシリーズ最終作『ファイナルファンタジーVI』と同等。デフォルメされた味方キャラは、髪が風にたなびき、スキル発動の際のリアクションはスムーズにヌルヌル動く。絵画のようなグラフィックが、躍動感たっぷりに動くのが印象的なゲームだった。

 ゲームは、破壊と創造の神によって滅びと再生を繰り返す世界を舞台にしたRPGで、主人公たちが世界の滅亡に立ち向かうというもの。オーソドックスな作りのターン制コマンドRPGだが、魔法を自分で作ることができる「言霊システム」を採用していたり、迫力のあるBGMの種類が豊富だったりと、同作の魅力はグラフィック以外にも語る点が山ほどある。スクウェアRPGの最終形態としてふさわしい出来であった。

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