■仲間のために命を張ったパクノダ&ウボォーギン
幻影旅団は冷酷無比な集団というイメージが強いが、仲間意識が強く団結力がある。特に初期メンバー9人はケンカしつつも絆が深く、魅力的なキャラが揃っていた。
そんな旅団で最初に命を落としたのはウボォーギンだった。高い戦闘力と強靭な肉体を持つウボォーを殺したのは、クルタ族の復讐に生きるクラピカ。
クラピカは彼を誘い出し、能力を強制的に無効化する”束縛する中指の鎖”で縛り仲間の情報を吐かせようとした。しかしウボォーは口を割らず、「殺せ」と答えるだけ。怒りに震えたクラピカが、制約を破ると鎖が心臓を握り潰する”律する小指の鎖”を打つも、なおもウボォーは迷うことなく「くたばれバカが」と言い、鎖に心臓を潰されてしまう。念を覚えたてのクラピカの強さにも驚くが、ウボヴォーの潔さが印象に残るエピソードだ。
さらに、同じく幻影旅団メンバーであるパクノダの死も衝撃的である。ウボォーの死後、団員はクラピカ捜索に動き、クラピカは団長であるクロロ=ルシルフルの拉致を目論んでいた。ゴンとキルアを人質に取った旅団は、パクノダの能力で2人からクラピカの情報を読み取る。
同時にクラピカもクロロの拉致に成功し、彼に“律する小指の鎖”を刺し行動を制御することで、仲間との交流禁止を告げた。
またクラピカはクロロの拉致後にパクノダを電話で脅し、1人で人質交渉に来るように伝える。パクノダは、「旅団に危機が迫ったら団長でも切り捨てろ」という旅団のルールよりも団長の命を選び、クラピカに従う。そして、団長開放の代わりにゴンとキルアを開放し、情報を漏らさないというクラピカとの "律する小指の鎖”の制約を受け入れたのである。
開放された団長は旅立ち、彼女は自分の記憶を他人に見せる”記憶弾”を初期メンバーに打ち込む。これによりクラピカの情報は団員に知れ渡り、制約を破ったパクノダはその場で息絶えたのだった。
彼女が伝えなければ、何も知らない団員は仲間割れする可能性が高い。つまりパクノダは、旅団を守るために自らを犠牲にしたのだ。「お願い 私で終わりに…」という最後の言葉が切ない。