■「目怖すぎ!」と話題になったミストレス9の表情

 旧シリーズだけではなく、2014年に放送された『セーラームーンCrystal』でも、土萠ほたることセーラーサターンのゾッとする演出があった。

 土萠ほたるは、「目覚めてはいけない戦士」と言われるセーラーサターンを宿す少女。同時にデス・バスターズのマスター・ファラオ90と土萠創一により、体内に怪人・ミストレス9の卵も移植されていて、二つの魂のぶつかり合いが原因で起こる発作に悩まされていた。

 問題のシーンは、最終回直前のAct.36 「無限10無限大――上空」に登場する。ゲルマノイドとなった土萠創一を倒した戦士たちは、ついにマスター、ファラオ90、ミストレス9と対峙した。

 ミストレス9は結界を破壊すべくほたるの体を出ようとするが、体内のほたるがそれを許さない。「この体は私のもの。出しはしないわ」とミストレス9を拘束した。

 そして、このとき「自由が……効かない……」と苦しむミストレス9の顔こそがホラーアニメのような恐怖フェイスだったのだ。いつもの倍に膨らんだ目は左右別々にぐるぐると動き回り、美しいほたるの面影は消えて妖怪のような形相に。

 かと思いきや、今度は目がギュンと釣り上がり、口が大きく裂けていく。これらの顔の変化がすべてドアップで映されるので、気持ち悪さ倍増だった。その後、勢いに乗ったミストレス9の強さはほたるを凌駕し、ついにはほたるを制御して覚醒してしまった。

 多くの女子を夢中にさせてきた『美少女戦士セーラームーン』。トラウマシーンは刺激が強いが、その存在もまた魅力の一つだ。

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