子どもたちが恐怖演出にゾッとした!アニメ『美少女戦士セーラームーン』の忘れられない「トラウマ回」の画像
画像はアニメ『美少女戦士セーラームーン』DVD第1巻

 武内直子氏が生み出した変身ヒロイン漫画の金字塔『美少女戦士セーラームーン』。『なかよし』1992年2月号で連載が開始されると、テレビアニメも同年に放送が始まり、少女たちは強敵たちと戦うセーラー戦士にたちまち心を奪われた。

 一方で同作は、たびたび恐ろしい演出が描かれることでも有名な作品でもあった。今回は、今年で放送から34年を迎えたアニメ『美少女戦士セーラームーン』の「一度見たら忘れられないトラウマシーン」を振り返っていきたい。

■誰もが絶句した「無印」の全滅エンド

 誰もが驚愕したのは、無印こと『美少女戦士セーラームーン』の第45話「セーラー戦士死す!悲壮なる最終戦」と最終第46話「うさぎの想いは永遠に!新しき転生」。“サブタイトルバレ”なこの話は、同シリーズでもダントツのトラウマ回として語られるエピソード。主人公の死という展開はやはり衝撃で、やはり当時の子どもたちにとっては相当驚いた内容だったと言えるだろう。 

 セーラー戦士は最終盤で、悪の組織ダーク・キングダムの拠点である北極点DポイントでD.D.ガールズと対峙する。

 彼女たちは非常に強く、まずは幻覚で油断して拘束されたセーラージュピターが敵2人を道づれに命を落とした。セーラーマーキュリーは悲しむセーラームーンを諭して1人で足止めをする。3vs1の不利な状況の彼女は、幻覚の源を突き止めるも炎で焼かれ、最後の力を振り絞って幻覚の源であるティアラの石を破壊し息絶えた。

 次は、セーラーヴィーナスがセーラームーンをかばってマグマのたぎる地底に引きずり込まれた。炎に焼かれながら1人を倒すものの命を落とし、残る敵はあと2人となる。

 残りを引き受けたセーラーマーズが敵を全滅させるも、爆風に飲まれて息絶えた。直前に発した「やあね、死ぬって決まったわけじゃないんだから」の言葉がフラグになってしまったわけだ。

 4戦士の幻に励まされ、女王クイン・ベリルに立ち向かったセーラームーンは、洗脳されたタキシード仮面・エンディミオンと対峙する。だが、彼もまた星空のオルゴールで気持ちを取り戻した後にベリルにバラを刺して命を落とす。

 プリンセス・セレニティに変身したセーラームーンは銀水晶を解き放ち、ついにクイン・メタリアと合体したベリルを倒す。しかし、使用者のエネルギーを全て奪う銀水晶を使ったことで、セーラームーンも死んでしまう。

 決戦の前に家族と過ごす様子や、未来の恋の話を明るく話していた彼女たちの姿が切なくてやりきれないが、うさぎの「普通の生活に戻りたい」という願いを受けた銀水晶の力で全てがリセット。普通の朝を迎えて物語は終了する。

■陰湿すぎる敵幹部たちの行動

 1994年に放送がスタートした『美少女戦士セーラームーンS(スーパー)』に、デス・バスターズの幹部として登場した「ウィッチーズ5」。“5”ではあるものの、実際はユージアル、ミメット、テルル、ビリユイ、シプリン、プチロルの6人で構成された魔女である。

 彼女たちは、人間のピュアな心の結晶集めのために抜擢された幹部。セクシーで魅力的な外見だが、彼女たちにはセーラー戦士のような絆もなければD.D.ガールズのようなチームワークもない。

 全員が最高幹部を狙う野心家で、とにかく仲が悪かった。お互いの陰口や嫌味は日常茶飯事で、特にメンバーの先輩格だったユージアルに対しての態度は酷い。

 ユージアルは、真面目かつ天然という面白キャラ。なぜかいつもハイテンションで、定番の流れは、動物園の象の檻、滑走路、川といったとんでもない場所から車で登場し、ポンコツなダイモーンを召喚して「あとはよろしく」と帰ってしまうというものだった。 

 失敗も多く、メンバーには「オバン」「引退しろ」などと悪口を言われ、なめられてしまう。特にミメットからの“攻撃”は悲しくなるほどに酷く、スリッパに画鋲を入れたりロッカーにカタツムリを入れたり遺影を飾ったりと陰湿だった。

 極めつけは最後。ユージアルは天王はるかと海王みちるがタリスマンを持っていると突き止めるも、セーラー戦士に追い詰められて車で逃げ出す。ボロボロになりながら運転する彼女の耳に飛び込んできたのは、カーステレオから流れる「あなたの失敗の数々、今まで我慢してたけど見るに堪えなかったわ。ウィッチーズ5の名が汚れるわ。死んで反省してね」というミメットの声。

 足元を見ると、たくさんのカタツムリと「ワゴン車のカタツムリ女は事故って死ね!!」というメモがあった。ミメットによってブレーキを壊された車はコントロールを失い、ビルを突き抜けて海に落ちてしまうのだった。ミメット……怖すぎる……。

  1. 1
  2. 2