織田裕二、江口洋介、中山美穂に竹内力も! ベテラン俳優の初々しい姿が拝める「80年代ヤンキー漫画」実写化映画の画像
織田裕二 (C)ふたまん+

 1970年代後半から80年代は、ヤンキー文化の全盛期。髪型はリーゼントにパンチパーマ、制服はボンタンに短ランといった姿のツッパリたちは漫画にも影響を及ぼし、当時は多くのヤンキー漫画が生み出された。ツッパリ道を突き進む彼らはどこかかっこよく、憧れたという読者もいるのではないだろうか。

 今回注目していくのは、そんなヤンキー漫画の実写映画化作品である。ヤンキー×実写は意外と親和性が高く、人気の若手俳優を起用しやすいこともあり、ヒットする傾向があった。

 当時の出演者の中には、現在、演技派のベテラン俳優となった人物も多い。そこで今回は、80年代ヤンキー漫画実写化映画に出演していた若かりし頃の俳優を振り返ってみよう。

■名コンビによるツッパリ青春ムービー

『BE-BOP-HIGHSCHOOL』は、1983年から2003年にかけて『週刊ヤングマガジン』で連載されていたきうちかずひろさんのヤンキー漫画だ。

 “アウトローで喧嘩が強いがおちゃめ”というギャップを持つツッパリ・加藤浩志と中間徹の主人公2人の、喧嘩や恋に明け暮れる日常を描いている。ギャグコメディがベースになっているため、喧嘩シーンはシリアスながら笑える場面が多い。

 同作を原作とした実写化作品は多く、これまでに映画、Vシネマ、ドラマと様々な媒体で制作されている。中でも印象に残るのは、やはり1985年に公開された実写化の初代作品である映画『ビー・バップ・ハイスクール』だろう。主演はトオル役が仲村トオルさん、ヒロシ役が清水宏次朗さんで、仲村さんは同作が俳優デビュー作だった。

 仲村さんはもともと俳優を目指していたわけではなく、大学生のころに書店でたまたま見かけた雑誌に掲載されていた「映画の出演男性2名募集」の告知を見て、オーディションに参加したそうだ。

 テレビ朝日のインタビューでは、オーディション会場に行くと本物のヤンキーも大勢おり、場違い感を覚えたと語っていた仲村さん。初演技のうえ、ヤンキーとは無縁だったにも関わらず、オーディションを勝ち抜いて同名キャラ「中間徹」を射止め、作中でも圧倒的な存在感を放っていたのだから、やはり役者としての資質が高かったのだろう。

 作品は大ヒットを記録し、仲村さんはデビュー作で「日本アカデミー賞 新人俳優賞」を受賞するという快挙を成し遂げた。

 また、同作にはヒロイン・泉今日子役で中山美穂さんも出演している。中山さんも女優・歌手としてデビューしたのが1985年で、本作は映画初出演作だ。若々しくキュートな中山さんの演技は話題を集め、主題歌に採用されたシングル『BE-BOP-HIGHSCHOOL』も大ヒットとなった。

■かっこいいバイクにも注目

 1983年から『少年KING』で連載されていた吉田聡さんの漫画『湘南爆走族』は、湘南を拠点に活躍する暴走族「湘南爆走族」の日常をギャグタッチに描いた青春物語。主人公は、波打際高校の手芸部部長であり「湘南爆走族」の二代目リーダー・江口洋助だ。

 暴走族が主軸の作品ゆえ、登場する旧車がかっこいいのも魅力の一つ。洋助が乗っていたスズキGS400やメンバーの石川晃のホンダCB400TホークIIなどは、そっくりにカスタムするファンがいるほど人気があった。

 同作は1987年に映画で実写化。主役の江口洋助を演じたのは、同姓同名の江口洋介さん。江口さんにとっては同作が映画初主演ということもあり、この役名を芸名にしたと勘違いする人も多かったが実は全くの偶然。”江口洋介”は本名で、「湘爆」はまさに運命の出会いだった。

 そして、同作で俳優デビューを果たしたのが織田裕二さんである。役は親衛隊長の石川晃。石川ファンだった織田さんは漫画を読み込んでオーディションに挑み、迫力ある演技で数万人の中から念願の役を射止めた。作中では石川のギラギラした目、威圧感を見事に表現し、ここから俳優としての才能を一気に開花させていく。

 漫画キャラの髪型は、カラフルなスーパーリーゼントだが、江口さんと織田さんは髪を伸ばして染め上げてこの髪型に地毛で挑んだ。ゆえに違和感もなく、再現度が極めて高い。

 さらに、ヒロイン・津山よし子を演じた清水美沙さんも本作で女優デビューを果たしている。メガネをかけた真面目そうな雰囲気と可愛さは原作のイメージに近く、出演後は人気もうなぎ上りになった。

 他にも、若かりし頃の竹内力さん、杉本彩さんなど注目の出演者が多い同作。原沢良美を演じた我王銀次さんは1987年公開の実写映画『名門! 多古西応援団』にも出演し、主役の橘薫を演じている。

  1. 1
  2. 2
  3. 3