木村拓哉、風間杜夫、SMAPも…名作なのに観るのが困難! 30周年『古畑任三郎』の「再放送されない」エピソードの画像
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 田村正和さん演じる古畑任三郎が、ハンサムかつコミカルに事件を解決していくドラマ『古畑任三郎』シリーズ(フジテレビ系)。1994年の『警部補・古畑任三郎』の放送開始から今年で30周年を迎えたことを企画して、5月24日から一挙放送がスタート。フジテレビの月曜~金曜午後1時50分からの「ハッピーアワー」枠で各日2話ずつ放送される。24日には中森明菜さんが犯人役を務めたシーズン1第1話「死者からの伝言」と、堺正章さんが犯人役を務めたシーズン1第2話「動く死体」が放送された。

 これまでに、総集編的エピソード「消えた古畑任三郎」を含むシリーズ43話が放送されている『古畑任三郎』。地上波での再放送以外にも、CS放送での再放送やフジテレビの配信サービス『FOD』での配信もされているが、中には諸々の理由から、あまり再放送されなかったり配信がなかったりするエピソードも存在する。今回は、そんな現在は観ることが困難なエピソードにスポットを当てて振り返っていこう。

■古畑任三郎の鉄拳炸裂「赤か、青か」

 まずは1996年1月31日に放送されたシーズン2の4話「赤か、青か」。4月クールの『ロングバケーション』で大ブームとなる前クールに木村拓哉さんが犯人役を務めたエピソードだ。DVDやBlu-rayのBOXセット、2022年にデアゴスティーニ・ジャパンから発売された『古畑任三郎DVDコレクション』などには収録されているが、FODでは未配信となっている、観るのが困難な回のひとつである。

 木村さん演じる天神大学電子工学部の研究助手の林が観覧車に仕掛けた爆弾を、古畑が解体するというこのエピソード。タイトルとなっている「赤か、青か」は爆弾に仕掛けられたコードのどちらを切るかを示したものであり、2023年10月に放送されたバラエティ番組『私のバカせまい史』(フジテレビ系)でも、「赤か?青か?時限爆弾解除二択史」と題した企画を放送。歴代の映画やドラマの時限爆弾解除シーンが紹介される中で、『古畑』のこのエピソードも企画に取り上げられたが、その際も再現イラストでのシーン紹介にとどまった。

 観覧車には、西村雅彦(現在は西村まさ彦)さん演じる古畑の部下である今泉慎太郎が乗っており、怖がっている様子はコミカルで面白い。だが、そんな面白さとは相反して、林と古畑の駆け引きは、終盤になるにつれて緊張感が増していく。

「赤か、青か」は、あまりにも理不尽な理由で犯行に及んだ林を古畑が殴るという、珍しいシーンもあるエピソードだが、その様子には、今泉を心配する気持ちがにじみだしているような印象を受ける。林の最後の駆け引きにも、彼の身勝手さや往生際の悪さがあらわれており、見事なまでの悪役を木村さんが演じた。

 木村さんの怪演が見られ、古畑と今泉の関係性も珍しく表に出ている回で、『古畑任三郎』を語る上では欠かせないエピソードだろう。なお、今回の30周年記念の一挙放送では、予告動画に白衣姿の木村さんの姿も確認できた。貴重な機会になることが期待できそうだ。

■ミステリーというよりコント「間違われた男」

 『古畑任三郎』シリーズは、どのエピソードも超豪華なキャストが犯人役を務めているが、田村さん演じる古畑と犯人とのコミカルな掛け合いが魅力のひとつでもある。

 1996年3月6日に放送されたシーズン2の9話「間違われた男」は、風間杜夫さんが犯人を務めた回で、コミカルな部分が強調されたエピソード。ミステリー要素がほぼないとも言える異色の回だ。

 犯人は風間さん演じる雑誌編集者・若林仁なのだが、彼は凄まじく運が悪く、推理の駆け引きはほぼ関係なく、自動的に追い詰められていくことになる。

 事件は、若林が妻の浮気相手を殺してしまうというもので、帰り道で運悪く車がパンクし、そこを通りかかった鴨田という男の車で彼の自宅に案内してもらうが、留守番電話で若林のことを吹き込まれてしまったため彼も殺害。そこに用事があって鴨田家に古畑が訪れたため、若林は鴨田になりすますことで難を逃れようとする……。このように、最初から“詰んでいる”としか言いようがない犯人だ。

 若林のあまりに苦しい言い逃れがコミカルで、若林が古畑の罠によって追い詰められていくミステリーというより、若林の運の悪さを楽しむコント回となっている。

 古畑も、まるでからかっているような異色かつ面白エピソードだが、こちらも観ることが困難な回となっている。

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