■スペシャル版「古畑任三郎vsSMAP」

 最後は、まるで東映まんがまつりのような題名の「古畑任三郎vsSMAP」。

 1999年1月3日にスペシャルで放送された、異色中の異色のエピソードだ。犯人は、当時大人気グループだったSMAPのメンバーが演じる架空のアイドルグループ「SMAP」。一人一人の役名も実名と同じで、これも挑戦的な試みだ。

 冒頭の古畑のトークシーンでは、いつもならば古畑が暗闇で語るのみだが、本エピソードでは今泉が登場しているのが珍しい。犯人が複数というのもなかなかレアで、石井正則さん演じる刑事・西園寺守の初登場回でもある。

 さらに、木村拓哉さんが犯人役を演じるのは、前述の「赤か、青か」に続いて2回目。同じ俳優が2回目の犯人を演じるというのは同ドラマでもほかに例がない。そんな珍しいエピソードだけに、なかなか観ることができないのは、やはり残念だ。

 他に、津川雅彦さんが出演したシーズン3の5話「古い友人に会う」の回も、近年再放送されなかったり、FODで欠番となっていたりと視聴が困難なエピソードだ。また、スペシャル回の中には、再放送されることはあるものの、FODでは現在配信されていない回もある。どのエピソードも、『古畑任三郎』を語る上で欠かせないユニークなエピソードばかりである。もし観る機会があったら、逃さずに観ることをお勧めする。

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