『トマトアドベンチャー』や『天外』シリーズ外伝も…ポケモンやMOTHERだけじゃない! 「任天堂ブランド」の隠れた名作RPGの画像
ゲームボーイソフト『カエルの為に鐘は鳴る』(任天堂)

 2004年にゲームキューブ用ソフトとして発売された『ペーパーマリオRPG』。そのリメイク版が5月23日にNintendo Switchで発売され、ファンからは喜びの声があがっている。

 任天堂が生み出したゲームの中には、『ポケモン』や『MOTHER』、『ゼノブレイド』といった有名RPGの一方で、『ペーパーマリオRPG』のように根強いファンを持つ“隠れた名作RPG”が多数存在している。そんな知る人ぞ知る名作RPGたちについて見ていこう。

■後の名作アクションRPGに繋がるノウハウ満載!『トマトアドベンチャー』

 2002年にゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売された『トマトアドベンチャー』は、コミカルで可愛らしいキャラクターや世界観が特徴的なアクションコマンド型RPG作品だ。コドモのための国「ケチャプー王国」を舞台に、主人公・デミルが連れ去られたガールフレンド・パサランを救い出すために冒険を繰り広げていく。

 本作はもともと、開発元であるアルファドリームが『ギミックランド』のタイトルでゲームボーイカラー用ソフトとして開発していたタイトル。それが任天堂から高評価を受けたことで急遽、両社が手を組み再開発されたという経緯で生まれた一作だ。

 本作最大の特徴は、バトルの際に登場する“ギミック”の存在だろう。プレイヤーは戦闘中、さまざまなギミックを武器に固有の“コマンド”を入力し、敵を攻撃することとなる。ギミックのコマンド入力に成功すると与えるダメージが増えるため、相手を素早く倒すためにはこのコマンド入力の成否が非常に重要な要素となってくる。

 また、アクションの成功に応じて「すごいのメーター」が貯まるようになっており、メーターが貯まり「すごいの」コマンドが出てくると特殊効果のある「すごいの」を発動することができるのだ。

 まさに“アクションコマンド型RPG”の名にふさわしい特徴的なバトルシステムなのだが、他にも個性的なキャラクターたちや洗練されたBGM、大人だと分かるちょっとブラックなネタの数々も魅力だった。ゆえに多くのプレイヤーを惹きつけ、任天堂作品のなかでも“隠れた名作”として語り継がれている。

 ちなみに本作を開発したアルファドリームは、後に名作『マリオ&ルイージRPG』も手掛けており、『トマトアドベンチャー』で培ったノウハウが後世の作品にも存分に活かされることとなった。

■独自の世界観は唯一無二!『オリエンタルブルー -青の天外-』

 1989年にハドソンより発売されたPCエンジン用ソフト『天外魔境 ZIRIA』は、その独特の世界観とていねいな作りから瞬く間にプレイヤーたちを魅了したRPG作品だ。後に“天外”の名を継ぐ数々の名作が生み出されることとなる。

 なかでも、2003年に任天堂から発売されたゲームボーイアドバンス用ソフト『オリエンタルブルー -青の天外-』は、シリーズの外伝的な作品でありながら多くのファンを夢中にさせた。

 中国、日本、モンゴル、タイなどを思わせる“不思議な世界”を舞台としているのだが、本作の最大の特徴はその独特のストーリーの進め方である。

 それが“フリーシナリオシステム”と呼ばれる本作ならではの手法だ。従来のRPGと異なり、次に向かうべき場所が明確に提示されておらず、プレイヤーは各地を“放浪”するなかで次の目的地を探り当てていく。

 ストーリーを紐解くための要素が各地に散らばっており、これらを集めていくことでプレイヤーは少しずつ物語の全貌を知ることができるようになっているのだ。

 また、従来のRPGで“魔法”にあたる要素が、本作では“マ石”という道具を使う形になっている。これを組み合わせることによって強力な攻撃を生み出したり、装備と組み合わせて特殊効果を発動させたりすることができ、かなり戦略の幅は広い。

 これまで派手な演出が特徴的だった「天外」シリーズの作品たちだが、本作は少し落ち着いた雰囲気のなか、独特の世界観とシステムを用いた冒険が描かれていくこととなる。

 その自由度の高いシナリオはシリーズ作のなかでも実に個性的で、本作ならではの体験にどっぷりとハマってしまったファンも多いのではないだろうか。 

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