漫画やアニメでは、子どもだったはずのキャラが大人に急成長を遂げる展開がある。それが女性キャラの場合、女児の頃の姿からは予想もつかない美女になり、読者を大きく驚かせる。今回は、子どもから美しい大人へと変化を遂げた女性キャラを見ていこう。
■実はクリスタル・トーキョーの王女様!『美少女戦士セーラームーン』のちびうさ
まずは、武内直子さんの『美少女戦士セーラームーン』に登場する「ちびうさ」を見ていこう。うさ耳のようなピンクのお団子ツインテールの髪型をした彼女の正体は、30世紀の「クリスタル・トーキョー」から幻の銀水晶を探して、時空を越えて20世紀にやってきた地球のプリンセス「うさぎ・スモールレディ・セレニティ」だ。
彼女は月野うさぎの娘のため、顔つきは瓜二つ。20世紀にいるときは小学生低学年くらいの少女だが、彼女は2度、大人の姿が描かれたキャラでもある。
印象的なのは、原作漫画の第2部および、テレビアニメ『美少女戦士セーラームーンR』で、ワイズマンに洗脳されて闇落ちして登場した「ブラック・レディ」としての姿だ。このときのちびうさはうさぎよりも年上になり、長いお団子ツインテールに深いスリット入りのロングドレス、シースルーのブラウスを身にまとったセクシーな女性になっている。
そして、もうひとつは原作第4部および、劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』で見せた「プリンセス・レディ・セレニティ」としての姿。これは美しいロングドレスを身にまとったプリンセス姿のちびうさだ。ブラック・レディとツインテールの長さも年齢も同じくらいだが、顔つきは比べ物にならないほど柔らかく、王族の気品に満ちた美女となっていた。
■個性的な口調と乙女心が可愛い『ブラック・ジャック』のピノコ
医療漫画の金字塔である手塚治虫さんの漫画『ブラック・ジャック』のヒロインといえば「ピノコ」。彼女はもともと、双子の姉の体内に18年間残されていた畸形嚢腫である。ブラック・ジャック(B・J)によって摘出された後、人体形成に必要な内臓がすべて揃っていたことで人間として組み立てられ、その後B・Jの妻兼助手となった。
体内にいたため発育は追いついておらず、体型は幼児のままで言葉もつたない。しかし、誕生の時点で年齢は18歳であり、発言の内容も大人びていてB・Jへの愛情表現も重めだ。
ピノコの大人になった姿は、「人生という名のSL」というエピソードで描かれている。列車に乗るB・Jの前に、これまでに関わった人物が次々と現れる。
その中に、8等身の美女となった21歳のピノコがいた。彼女はB・Jに「一度れいいから好きだと言って」と迫るが、B・Jは「私は見せかけの姿なんて興味がない」と一刀両断。
だが、落ち込むピノコに対し「なにをしょげてる!? おまえ私の奥さんじゃないか それも 最高の妻じゃないか」と伝えるのだった。結論を言えば全て彼の夢なのだが、ピノコに対する愛情が見える素敵なストーリーだ。
■こんな教師はアリ?ナシ?『らんま1/2』の二ノ宮ひな子
高橋留美子さんの漫画『らんま1/2』に登場した二ノ宮ひな子は、風林館高校で1年生の担任で英語を受け持つ女教師である。生徒想いで正義感が強く、教師としてはいい人物なのだが、その見た目は乱馬たちよりも幼く、食べ散らかしたり泣いたり自由気ままだったりと性格も子どもっぽい。
一方で、ひな子先生は元祖無差別格闘流を学んだ格闘家の顔も持っており、幼い頃に八宝斎にツボを刺激されたせいで、他者の闘気を吸引して自身のエネルギーに変換できるようになった特殊体質の持ち主だった。
吸引は丸い穴さえあれば相手が誰でも有効で、闘気を吸うことで大人の姿に変身する。この大人の姿がとても色っぽく、ボンキュッボンのナイスバディなのだ。子どものときと同じ服を着た状態で大きくなるため、スーツもピチピチになり、セクシーさも極めて高め。男子生徒はみな、大人になったひな子先生に鼻の下を伸ばしていた。
ひな子先生はその後、家庭訪問で訪れた天道家で早雲に惚れ、結婚を目指して天道家に居座ったりとアプローチを繰り返すようになるが、早雲に会う時は乱馬らの闘気を一方的に吸い取って大人の姿になっている。