■呪文を遮断するが使い道は長期戦だった「マホステ」
『ドラクエ4』から登場したのが「マホステ」だ。呪文の効果をいっさい受け付けなくなるので、相手からすると呪文を遮断されたことになる。“魔法を捨てる”ではなく、“魔法の効果を切り捨てる”というイメージといえるだろう。
消費MPは2ポイントと多くないが、かけた相手への呪文が無効になってしまう特性がある。これによって「イオナズン」や「ベギラゴン」といった強力な呪文もダメージを受けない。
ただし、ホイミ系やスクルト系の回復・補助呪文も受け付けなくなるので、注意が必要。回復必至となりそうなボス戦では、ほとんど使えなかった。
呪文を跳ね返す「マホカンタ」と似ている部分もあるのだが、「マホカンタ」状態で攻撃呪文を仕掛けた相手も「マホカンタ」状態だった場合、跳ね返されたダメージは受けてしまう。しかも、跳ね返された呪文は「マホカンタ」で相殺することができない。
しかし、「マホステ」は跳ね返されても無効にできる強みがある。しかも、ファミコン版『ドラクエ4』では仲間への命令ができないので、「マホカンタ」を使えるのはAIのブライ頼み。その点、「マホステ」は勇者が使えるので自由に仕掛けることが可能だった。
呪文攻撃がメインでHPも高い敵キャラかつ、長期戦になりそうな場合は効果的といえるだろう。
■マホカンタとどう違うのか理解せずに使わなかった「マホターン」
『ドラクエ6』で登場した呪文で、中ボスのミラルゴとの戦いでよく見かけたのが「マホターン」だ。ネーミング通り、“魔法をターン”することが可能。いってみれば「マホカンタ」のように呪文を跳ね返すのだが、『ドラクエ6』では一度呪文を受けさえすれば解除できる。
「マホカンタ」と違って解除することで、回復呪文を受け付けることが可能だ。ローテーションで攻撃を仕掛けてくるボス戦に効果を発揮しやすかった。
1ターン目や2ターン目に強力な攻撃呪文を仕掛けるボスの場合、前もって「マホターン」をかけておけば、その呪文を跳ね返すことができる。
とはいえ、ランダム行動のボスやザコキャラとの戦いでは使い勝手が難しい。行動の順番によって「マホターン」をかける前に攻撃呪文を食らう場合もあれば、先にスクルトやホイミをかけようとして、逆に「マホターン」のほうが早かったということもあり得るからだ。
本作をプレイしているときは魔法戦士に転職しないといけないし、使う機会はなかなかなかった。伝説の防具でもある「スフィーダのたて」を使用しても発動するのだが、最初は「マホカンタ」と思ってしまったので違いが分からなかったものだ。
ちなみに「マホカンタ」は“かがやくひかりのかべ”で、「マホターン」は“うすいひかりのかべ”という演出だった。戦闘中のメッセージを速くしていると、この違いに気付かないかもしれない。
さて、いろいろ登場する“マホ◯◯”の呪文たちだが、筆者も「マホトーン」や「マホカンタ」でさえ、ほとんど使っていなかった覚えがある。こんなにあるのなら、一度全部使ってみようかと思ってしまう。