■ルールを(なんとなく)覚えて、ストイックすぎるゴルフの魅力を知る!
そんなこんなでルールを覚え、クラブごとのボールの飛距離を覚えてくると、そこから先はスポーツというよりゲームの世界。
といっても、クラブによる飛距離は説明書に書いてあるものしか参照できるものはなく、またゲーム中もティーグラウンドからピンまでの距離しか表示されてないので、「このクラブなら大体これぐらい飛ぶ」というのをプレイを重ねて体得。そこに風速と風向、そしてショットを打つ方向にインパクトのタイミング、スライスとフックの打ち分けなどの要素を加味して考えるコースの攻略が非常に楽しかった覚えがあります。
以後に発売されたゴルフゲームなどに比べれば、できることはシンプルですが、それゆえに奥深いのがファミコンの『ゴルフ』です。同じコースでも風向きや、そのときのプレイ感覚によってスコアが全然違ってしまう。相手と勝敗を競う他のスポーツと違って、自分との戦いというストイックなプレイを続けられるか、それが『ゴルフ』の面白さだとゲームを通して多くの子どもたちが学んだはずです。
■大人が遊んで面白いものは子どもが遊んでも面白い!
『ゴルフ』がロングセラーになった要因は、大人が楽しめたからともいわれています。しかし、大人が遊んで楽しいものは、遊び方さえわかれば子どもだって楽しいのです。
確かに、子どもの頃に実際にゴルフクラブを振る機会はほとんどないでしょうし、ルールも簡単ではありません。でも、ゲームであれば子どもだって楽しめるのです。大人は『ゴルフ』として、子どもは『ゲーム』として遊べる。年齢にかかわらず楽しく遊べたゲームというのも、『ゴルフ』がロングセラーになった一因なのかもしれませんね。