2024年の大河ドラマ『光る君へ』での演技で反響を集めている本郷奏多さん。同時期に『アイのない恋人たち』『消せない「私」ー復讐の連鎖ー』にも出演し、計3作品でそれぞれまったく異なる表情を見せたことでも話題になっている。
そんな彼は、二次元キャラの演技に定評がある俳優のひとりでもある。漫画原作の映画やドラマに多く出演していて、それぞれのキャラを忠実に再現しているのだ。ちなみにファンの間では、“見下し系イケメン”の完成度が特に素晴らしいという声も……。
そこで今回は、本郷さんが演じた二次元キャラの中から、特に評判になったものをいくつか紹介していきたい。
■『幽☆遊☆白書』飛影
冨樫義博さんによる『幽☆遊☆白書』は、昨年12月からNetflixにて実写ドラマ化もした人気作品だ。本郷さんが演じたのは作中でも特に人気のある飛影で、非情でありながらも正義の心も持っている複雑なキャラである。
原作では飛影の心変わりを少しずつ表現していたが、ドラマは全5話という短い時間しかなかったので、本郷さんなりにあれこれ考えたはずだ。結果、クールな部分が全面的に押し出された飛影に仕上がっていたように思う。それはそれで良い……。
何よりも圧巻だったのはバトルシーンで、飛影の必殺技の代名詞でもある「邪王炎殺黒龍波」も見事に再現されていた。実写でやるのは厳しいと思っていたので、映像技術のレベルの高さにも驚かされてしまった。また非常に小柄な飛影を本郷さんなりに再現するため、「とにかく低く」を意識したという戦闘姿勢も見どころのひとつだ。
本作では常にクールかつ激しいバトルが次々と展開され、普段なかなか見られない本郷さんの姿を見ることができたと思う。
■『キングダム』成蟜
原泰久さんによる『キングダム』の成蟜を演じたときも、本郷さんはかなりの高評価を得ていた。ファンはもちろん、原作者からも「原作を超えてきた」という大絶賛のコメントが送られたほどである。
成蟜は嬴政の異母弟で、平民の母を持つ政が王位継承者となったのを不服として反乱を起こす。それによって政は追われる身となり、その影武者だった漂が死んでしまった。
成蟜は幼い頃から周囲の人間にチヤホヤされてきたので、かなり歪んだ性格になっているのが特徴だ。平民を特に嫌っており、自分の部下で平民出身がいると理由もなく殺している。戦力を自分で削ってどうする……。さらに、都合が悪くなると我先に逃げ出そうとするので、いかにも小物のボスといった感じだ。
そんな成蟜を演じた本郷さんだが、まず表情がそっくりなのに驚かされる。切れ長の目元がかなり似ていて、不敵な笑みもソックリ。さらにセリフの言い回しも嫌われ役そのもので、見ているだけで腹が立ってくるほどだ。
原作の成蟜は子どものように小さいが、本郷さんの身長は174センチなので体型としては合っていない。しかし、そんなことはまるで気にならないくらいの完成度に仕上がっていた。