■ヘリシューティングといえば『タイガーヘリ』
ヘリコプターが自機のシューティングといえば、欠かせないのが1986年にファミコンに移植された『タイガーヘリ』(ポニーキャニオン)でしょう。もとはタイトーが発売したアーケードゲームで、制作は縦スクロールシューティングの雄、東亜プランです。
ゲームは空中、地上、両方の敵を破壊できる正面へのショットと、広範囲に攻撃するボンバーを使い、敵陣を攻めていくヘリシューティングです。ショットの射程が短いため、ある程度接近しないと敵を倒せないのですが、東亜プランのシューティングらしく自機の移動が遅く敵の弾が速いため、ひたすら死にまくって攻略法を覚える必要がありました。
また、自機の左右には攻撃用オプションともいえる小型ヘリが2機まで付くのですが、これが敵の攻撃で破壊されてしまうため、小型ヘリに弾が当たらないように避けて、それで自分がやられる……なんて経験をしたのは筆者だけじゃないはず。
個人的にはトレーラーからヘリが出撃するというロマンある演出がカッコよくてお気に入りです。ゲームとしては続編のPCエンジン版『究極タイガー』も好きです。
■アドベンチャー? シューティング? それともRPG? な『コブラコマンド』
一風変わったヘリゲームといえば『コブラコマンド』(データイースト、1988年)は見逃せません。これも元はアーケードゲームなのですが、アーケード版は横スクロールのシューティングであるのに対し、ファミコン版は横スクロールシューティング部分は残しつつ、アドベンチャーやRPGのような要素を持ったゲームになっています。
各ステージのフィールドに存在する味方兵を『チョップリフター』のように収容し、彼らから情報を得ると隠された地下基地へヘリごと侵入できるようになります。そこで捕虜を救出したり、新しい武装を手に入れてパワーアップできるのです。
そうしてフィールドや地下基地の捕虜をすべて救出すればそのステージはクリアなのですが、ヘリでのシューティング要素がけっこう難しい。移動スピードは遅さに加え、独特の画面スクロールは非常に戦いづらい。また、地下基地の通路は狭く壁に触れると一発死。しかも、敵との戦闘もあるので、繊細な操作を要求されます。ちょっと難しめのゲームですが、シューティングだけでないヘリコプターのゲームを楽しみたいという人にはオススメの一本です。
自機がヘリコプターのゲームは、戦闘機タイプのシューティングと違って攻撃方法や操作感覚は独特です。シューティング要素がありながらも、敵を倒すだけでなく捕虜を救出したりするなど、新しい試みを盛り込もうという姿も見られ、ゲームの進化の過程を見ているようでもあります。思い通りに動かすのは難しいけど、できるようになると面白い。ヘリコプターをテーマにしたゲームは、そんな楽しさや新しさを味わえたゲームだったと思います。