■幼児化した姿が本物だった? 『烈車戦隊トッキュウジャー』
前述したように、敵の攻撃により幼児化してしまう戦隊は意外に多い。しかし、2014年の『烈車戦隊トッキュウジャー』の場合は、その幼児化の意味合いがまったく違っていた。
第32話「決意」で、関根勤さん演じる車掌からいきなり解散を告げられるトッキュウジャー。納得のいかない5人はボスであるレインボーラインの総裁のもとへ向かうが、その途中ガラス窓に反射した自分たちは、なぜか子どもの姿であった。
実は、この子どもの姿こそがトッキュウジャー5人の本来の姿であり、敵組織シャドーラインと対抗するため総裁が彼らを大人に変え、これまで戦っていたという視聴者もトッキュウジャー当人たちもビックリの真実が告げられる。さらに、このままトッキュウジャーとして大人の姿で戦い続けると、いずれ子どもの姿に戻れなくなるかもしれないことも判明するのだ……。
まさかの真実に苦悩するトッキュウジャーたちだったが、シャドーラインを倒せるのは自分たちだけだと大人の姿のまま戦い続けることを選択する。
そして最終回、シャドーラインとの戦いに勝利するも、子どもの姿に戻れなくなってしまったトッキュウジャーたち。しかし彼らのもとに家族が駆けつけ、愛の力によって本来の姿である子どもの姿に戻り、ハッピーエンドを迎えることとなった。
今回は、突如幼児化して視聴者を驚かせた特撮キャラクターたちを紹介してきた。キャストの降板という驚きの事情や、シリーズ恒例である敵の攻撃によるもの、はたまた、実は子どもの姿が本来の姿だったという驚きの設定……など、パターンこそさまざまだが、どのキャラクターたちも子どもとなった姿でたくさんの活躍を見せてくれていた。
漫画やアニメなどでも見られるキャラクターの幼児化だが、特撮作品でのそれは特撮ならではの魅力があるように思う。今後も幼児化エピソードは見られるのだろうか。期待して視聴したい。