仮面ライダーやスーパー戦隊などの特撮作品では、毎回視聴者を楽しませるワクワクする展開が続く。なかでも、それまで大人だった登場人物が突如子どもの姿になる“幼児化”は、ほかのジャンルのドラマではなかなか見ることができない特撮ならではの超展開であるだろう。
そこで今回は、突如幼児化して視聴者を驚かせた特撮キャラクターたちを紹介していきたい。そこには、それぞれ驚きの幼児化エピソードがあった。
■キャスト降板により幼児化!? 『仮面ライダー電王』
突如幼児化して視聴者を驚かせた特撮キャラクターと言えば、2007年から放送された『仮面ライダー電王』のハナを思い出す人も多いだろう。
白鳥百合子さん演じる19歳のクールビューティなハナは本作のヒロインで、最終回で衝撃の事実が明かされる本作のキーパーソンでもある。
そんなハナは、第33話「タイムトラブラー・コハナ」で突如10歳ほど幼児化し通称・コハナと呼ばれる女の子になり、当時の視聴者を驚かせた。
この突然の幼児化については、最終49話「クライマックスは続くよどこまでも」で真相が明かされることとなる。父・侑斗がゼロノスカードを使用し“分岐点の鍵”である彼女の存在を敵から隠したため、ハナの誕生にも10年ほどの遅れが生じた。よって、新たな未来への路線が出現したタイミング、つまり第33話で子どもの姿になったという。
このように“時”が深くかかわる本作に相応しい理由であった幼児化だが、しかし実はこの設定は予定されていたものではなかったという。それまでハナ役だった白鳥さんが体調不良により急遽途中降板……その緊急措置として取られた苦肉の策だったというのだ。
当時の視聴者はそれまで見てきたヒロインの突然の幼児化にビックリさせられたが、この設定はストーリー上にうまく組み込まれ、またコハナとして代役を務めた当時8歳の松元還季さんの熱演もあり、コハナは作中屈指の人気キャラとなっていった。
ちなみに本作の主人公である佐藤健さん演じる野上良太郎も、2007年公開の『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』で少年時代の11歳の自分、通称“小太郎”(溝口琢矢さん)と共演。小太郎は“ミニ電王”となり戦っている。
さらに2009年公開の『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』でも登場し、時空の歪みによって小太郎の姿となっていた。
■シリーズ定番? 敵の攻撃により幼児化した戦隊たち
幼児化したキャラクターは、戦隊シリーズにもいる。
2002年放送の『忍風戦隊ハリケンジャー』のハリケンレッドこと椎名鷹介は、第14話「泣き虫とあめ玉」で、バックトゥ忍者オクト入道の“宇宙忍法・バックトゥザチャイルド”により幼児化した。
日ごろから「オレは子どものころから怖いもの知らずなの!」と、息まいていた鷹介だが、子どもになった鷹介はかなりの怖がりで泣き虫。ハリケンブルー・七海に“抱っこ”をせがむほどの甘えん坊でもあった。それでもクライマックスでは自分を奮い立たせ、敵から“大人に戻るあめ玉”を奪い返し、見事もとの大人の姿に戻ることに成功する。
ほかには、1999年放送の『救急戦隊ゴーゴーファイブ』第24話「ちびっ子救急戦士」では、ザイレンという幼化サイマ獣により、ゴーピンクのマツリ以外の男兄弟がすべて幼児化させられるという事態に陥る。
さらに、2007年『獣拳戦隊ゲキレンジャー』第15話「ホワホワ! ママ業」では、臨獣クレーン拳ルーツによって、ゲキレッドはいたずら小僧の男の子に、ゲキブルーにいたっては喋ることもできない赤ん坊の姿に変えられてしまっていた。
このように、戦隊シリーズにおいて幼児化はたびたび見られ、定番といえるエピソードでもある。子どもの姿になった彼らはなんとも可愛く、その小さな身体でどう立ち振る舞うのかと視聴者は活躍に期待してしまうのだ。