■愛を貫く究極のヤンデレ『ジョジョの奇妙な冒険』山岸由花子
最後は、1992年から始まった荒木飛呂彦氏の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第4部「ダイヤモンドは砕けない」から、愛に生きる女子高生・山岸由花子を見ていこう。彼女は髪の毛を操つるスタンド「ラブ・デラックス」を使う美女だ。
彼女は思い込みが激しく自分勝手で、岸辺露伴ですら「プッツン由花子」と怯えるほど気質が荒い。そして、極度の“ヤンデレ”体質でもある。「愛するもののためならば鼻汁も平気、パンツを洗っている時に幸せすら感じる」と言うほど一途なのだが、相手を破壊するまで突っ走ってしまうのだ。
そんな由花子の想い人が広瀬康一である。ある日、由花子は康一を呼び出して告白をし「あたしのこと嫌いですか?」と問う。しかしモテたことのない康一は戸惑い、曖昧な返事をしてしまう。すると由花子は「愛しているの!?愛していないの!?さっさと答えてよっ!」と態度が一変。すぐに正気に戻って謝るが、この時点で“やばい奴”感が突き抜けていた。
翌日には、手編みのセーターと豪勢な手作り弁当を持参する由花子。一晩でセーターを編んだり朝市で食材を仕入たりと、ここでも底知れぬ一面が垣間見える。怯える康一を助けるため、東方仗助と虹村億泰は康一がダメ男だという噂を流し諦めさせようとするが、由花子はりっぱな男にすると逆に燃え上がって康一を拉致監禁してしまう。
自分を拒否し、スタンド「エコーズ」を使って逃げ出そうとする康一に激怒した由花子は、「あなたが死ねばあなたは永遠にあたしのものになる」と殺そうとする。最終的に負けてしまうのだが、とどめを刺さない康一の優しさにさらに惚れ込んでしまう。
確かに由花子はキレると怖い。しかし、女子力が高く、相手のために献身的に尽くす可愛らしい人物でもある。康一も後々彼女の魅力に気づき、「山岸由花子はシンデレラに憧れる」のエピソードでの出来事を機に、晴れて両想いになった。
今回紹介した3名のように、愛情深いキャラのぶっ飛び行動は我々読者を驚かせる。その強い愛が狂気に変わると時に悲劇を生み出してしまうが、それでも彼らの一途さは魅力的だ。