■日本の伝統芸能ともコラボしていた!『ビックリマン歌舞伎チョコ』

 最後は、2020年に東日本で先行発売された『ビックリマン歌舞伎チョコ』を見ていこう。これは松竹株式会社監修で、子ども向けの商品に伝統芸能「歌舞伎」を登場させるという、コラボ企画としてはかなり野心的な商品だ。

 シールは全22種類で、スーパーゼウスやスーパーデビルといったビックリマンキャラたちが隈取を施した歌舞伎役者に変身。イラストのタッチと白塗りや隈取が合わないような気もするが、ビックリマンのキャラはもともと個性的な顔をしているものも多いせいか、あまり違和感がない。歌舞伎役者との親和性は高いと言えるだろう。

 さらに、背景には江戸時代から使われてきた定式幕や大きな松が描かれた松羽目など、実際の歌舞伎の舞台でよく見られるものがそのままデザインされていた。

 シークレットは2種類。1つ目は、人気演目「義経千本桜」に登場した狐忠信とヘッドロココが交わった「覚醒ヘッドロココ千本桜」。満開の桜を背景に、隈取をしたロココが見得を切る美しい一枚になっている。

 芸能人コラボがあったのは2つ目のシークレットで、2002年に初舞台を経験した中村隼人さんがスーパーゼウスに扮した「スーパーハヤトゼウス」だ。天使の輪はないが、額の星や杖などを継承したカッコいい一枚である。

 このほかに、ライブやイベント限定でビックリマンシールを制作した芸能人やアーティストもいる。そういった商品は希少性が高く、オークションで高値がつくこともしばしば。芸能人コラボは、ビックリマンファンにも芸能人ファンにとっても魅力的な商品だと言えるだろう。

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