初戦闘では全滅必至…『ファイナルファンタジー』シリーズで反則級の戦術を駆使する「初見殺しボス」たちの画像
スーパーファミコン用ソフト『ファイナルファンタジーV』 (編集部撮影)

 バリアチェンジで弱点を変化させる『ファイナルファンタジーIII』の魔道士ハインや、ジャンプでしか攻撃できない『ファイナルファンタジーIV』のバルバリシアなどなど……『ファイナルファンタジー』シリーズには、いわゆる「初見殺し」の敵が多い。

 まず対戦してみて、敵の技や魔法を把握し、そこからどう対策を練るかがキモ。普段は使用してこなかったジョブをそのボス戦のために初めて使うのも非常に楽しいものだった。今回はその中でも、初見では特に全滅必至の、攻略法も分からなかったボスを紹介していこう。

■ルール違反も無視!『FF5』すべてをしるもの

 ガルキマセラ、どくろイーター、ギルガメ、ものまねしゴゴ、神龍など、『ファイナルファンタジー』シリーズの中でも『ファイナルファンタジーV』は初見殺しモンスターの宝庫。その中でも、「すべてをしるもの」はプレイヤーによって初見殺しの内容が変わってくるという珍しいボスだった。

「すべてをしるもの」は、第三世界のフォークタワー左側「魔の塔」の最上階に君臨する敵で、黒魔法・フレアを守るボス。この塔は“魔法しか使えない”というルールが課せられており、通常攻撃などを行うと即座に「リターン」をかけて戦闘開始の状態にまで戻ってしまう。

 だからといって、ただ攻撃魔法を連発するだけでも勝つのは困難。敵は多彩な魔法を使い、「リフレク」や「サイレス」や「トード」といった魔法を封じる補助魔法も使ってくるため、初戦闘では対策方法を考える間に全滅をしかねない、撃破が難しいボスだ。

 ネットのなかったスーパーファミコン時代、いったいどう倒せばいいのか、非常に困惑したというプレイヤーも多いのではないだろうか。

■最後っ屁が強力すぎる『FF6』マジックマスター

「すべてをしるもの」と同じく、魔法が得意なボスキャラが、『ファイナルファンタジーVI』にて崩壊後の世界で主人公たちの前に立ちはだかる「マジックマスター」だ。

 マジックマスターが君臨する「狂信者の塔」は、前述の「魔の塔」と似たつくりで、通常攻撃コマンドの「たたかう」が「まほう」になってしまい、強制的に魔法のみで攻略させられるダンジョンだ。

 自らの属性を変化させる「バリアチェンジ」をカウンターで使うため、さまざまな属性で攻撃しないといけないというのも初見殺しの1つ。しかし、マジックマスターの唱えてくる攻撃魔法は「リクレクトリング」などで反射でき、また相手を物理攻撃しかできなくさせる「バーサク」も効果的なため、倒すこと自体はそう難しくないだろう。

 ただ、問題はその先だ。初めてマジックマスターと戦ったプレイヤーが、ほぼ間違いなく全滅させられたのが、このボスが死に際に放つ、あまりにも強力な究極魔法「アルテマ」だ。約6000ダメージを全員に与えてくるアルテマは『FF6』では最強の魔法で、反射魔法「リクレク」も効かない。普通の育成度で挑んだ場合、全滅は必至である。「ラスピル」などでMPを枯渇させようにも、MPは5万と膨大だ。

 なので、マジックマスターに対する解答はほぼ一択。死亡後に一度だけ蘇る補助魔法「リレイズ」をかけて復活を試みることだ。『FF6』の中でも、トップクラスに倒すのが難しいボスだろう。

■チョコボレースだ『FF7』ミドガルズオルム

 続いては『ファイナルファンタジーVII』より。ミッドガルから出て、広大なフィールドを目の当たりにし、開放感に浸っているときに突如として襲い掛かってくる黒い影。それが大蛇「ミドガルズオルム」である。

 この時点のレベルでは倒すことはまず不可能なほどに強く、これと言った弱点も存在しない。また、苦労して倒したとしても、何度でも復活するのである。

 そのため、対策はただ1つ。「戦わない」こと。手慣れたプレイヤーなら、歩きでギリギリ捕まらずに突破できるが、直前のチョコボファームでチョコボをレンタルして、フィールドの移動速度を上げるのが一般的だろう。

『FF7』は、フィールドになにげなくいる初見殺しモンスターが多いゲームでもある。興味本位で近づいて即やられてしまう、世界の広さを教えてくれたゲームであった。

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