■ 敵のパターンもそのまんま!

『R−TYPE』のエポックメイキングさのひとつに、巨大なボスの登場があります。とくに画面に収まりきれない3面の巨大戦艦を目の当たりにした驚きを覚えているプレイヤーは多いと思います。『R−TYPE I』によって、それが家でプレイできるようになったのは衝撃の一言でした。いま改めて遊ぶと、細かな違いがあることがわかりますが、当時、あれらが家のテレビで動くインパクトはそんな細かな違いなど吹き飛ばすほどで、一緒に遊んだ友人と驚いたのを覚えています。

 さらに驚くべきは、グラフィックスだけでなく敵の動きのパターンがアーケード版がそのまま再現されているということです。

 アーケードゲームをファミコンに完全移植するのは不可能に近く、ゲーム内容であれグラフィックスであれアレンジが加えられるのは当たり前でした。しかし、『R−TYPE I』はグラフィックスはもちろん巨大なボスもそのまま登場するうえ、敵の出現や行動パターンはアーケード版の攻略方法がそのまま使えるほどの再現度で、その完成度の高さにPCエンジンの凄さを見せつけられた思いでした。

■あの時代の限界が形になった2つの『R−TYPE』

「アーケードのゲームがそのまま遊べる!」という事実は、それはもうショッキングで、私もすぐに……とはいきませんでしたが、『R−TYPE I』とともにPCエンジンを買う大きな動機のひとつとなりました。

 その後、何本もPCエンジンのソフトを買いましたが、アーケードゲームの移植を始めとするシューティングゲームが多めなのは『R−TYPE I』の影響かもしれません。

 現在は、比較的容易に大容量のロムやハードディスク、SSD、SDカードを使用することができるため、よっぽどのことがない限り1本のゲームを分割して移植など行われません。2本に分割されたとはいえ、ほぼ完璧な移植作となった『R−TYPE I』『R−TYPE II』は、36年前という時代だったからこそ形になった存在なのかもしれませんね。

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