『ママレードボーイ』レターセットに『ご近所物語』キャラクターシールも!宝物だった黄金期『りぼん』付録の思い出の画像
「特別展 りぼん」公式ビジュアル

 いつの時代も、日本中の少女をドキドキさせてくれる少女漫画誌『りぼん』。連載されている作品の面白さはもちろんのこと、「応募者全員大サービス」や人気作品のキャラが描かれた「付録」も読者の購買意欲をそそるものだった。

 実は今、オークションサイトなどでは少女漫画雑誌の懐かしの付録に注目が集まっている。特に、『りぼん』黄金期に発行された付録は人気が高い模様。たしかに、あの頃の付録は可愛いものが多く、毎回雑誌を開けるのが楽しみだった。そこで今回は、『りぼん』黄金期の付録を振り返ってみよう。

■定番アイテム「キャラクターシール」に「レターセット」

  印象に残るものといえば、人気作品のキャラクターが描かれた「シール」の付録だ。筆者は手紙交換や交換日記、自宅の学習机や棚などに意味もなくバンバン貼ってしまうタイプだったが、コレクションしている女子も多かった。

 シールは種類が豊富で、作品の良さが出たデザインになっている。たとえば、1997年11月号では、矢沢あいさんの漫画『ご近所物語』の「メモリアルシールセット」が付録となっていた。これは登場人物のおしゃれなファッションが見どころだった同作から、主人公の幸田実果子のシールシートや名場面シール、おしゃれシールにギフトシールなどがセットになったもので、飾って楽しめる額装仕様のものもあった。

 こうしたシール系の付録は『りぼん』では定番で、1987年7月号の付録では池野恋さんの漫画『ときめきトゥナイト』がシールブックになっている。これはイラストだけでなく、名前シールやバースデープレゼントシールなんかもあって利便性が高いアイテム。もちろん主人公の江藤蘭世がメインなのだが、真壁俊を巡る恋のライバル・神谷曜子とセットで描かれていることも多かったように思う。

 曜子の気が強いが実は優しいというキャラは魅力的であり、呪文で変えられてしまったヨーコ犬はおもしろキャラナンバーワンだったので、読者人気が高いのもうなずける。当時の読者はシールを使う場面に悩んだことだろう。

 また、「レターセット」も登場回数の多い付録の一つで、よく好きな作品のレターセットで手紙交換をしたものだ。『なかよし』派の友人から交換を頼まれることもあり、コッソリ学校に持って行って交換会をしたことも……。

 多くの作品のレターセットが付録になっていたが、筆者の周囲では特に吉住渉さんの漫画『ママレード・ボーイ』や彩花みんさんの漫画『赤ずきんチャチャ』など付録の人気が高かった。

 これらの「レターセット」の付録は2016年の『りぼん』60周年の際に、プレミアムバンダイにて復刻で商品化。『ママレ』のデフォルメされた光希があしらわれた便箋セットや、『チャチャ』のTシャツ型の便箋セットなど、当時のりぼんファン垂涎のアイテムに仕上がっていた。

■組み立て式付録も魅力的!立体ボックス

「組み立て式立体ボックス」も、頻繁に登場した付録だ。シールやレターセットをコレクションせずに使ってしまう派の筆者は、このボックスも同様に開封したらすぐに作っていた。「どこに飾ろうかな」「何を入れようかな」と家中にBOXを置き、ボロボロになるまで使い込んだものだ。

 組み立て式ボックス付録のほとんどを考案したのは、ペーパーアーキテクトの高橋孝一さん。ハサミや糊を使わなくても、子どもでも簡単に組み立てられるものばかりで、個性的で実用性が高く、大人になった今、あらためて見返してもワクワクするデザインだ。

 ボックスの形は種類は多岐にわたり、使い方も毎回違った。たとえばケーキ箱のような形で中華風の紗南とカンフーをする羽山が描かれた『こどものおもちゃ』の「紗南ちゃんランチボックス」(1997年10月号)や、小さなひきだしが3つついた『ご近所』の「ひきだしボックス」(1995年12月号)など、入れる物に合わせて使い分けることができるのである。

 ただ、給食があるのでランチボックスとして使うことがほぼなく、もっぱら小物入れになっていた記憶も……。そのような結果、部屋が『りぼん』のボックスまみれになっていくのだ。

 小物入れは工作が難しいが、引き出し付きなど凝っているものが多い。印象的なのは鍵がかけられる『天使なんかじゃない』の「カギつきないしょボックス」(1992年10月号)。筆者の友達は、ここに親に見られたくない手紙を入れていたそうだ。

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