■拳に宿る“核”の固さとは? 『範馬刃牙』地球の核を支えに打つ打撃

 1991年から『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載された板垣恵介氏の『グラップラー刃牙』は、「“地上最強”とはなにか」というテーマをもとに、数々の格闘士たちが戦いを繰り広げていく大人気格闘漫画だ。

 今もなお新たなシリーズが展開され、アニメ化も続いている人気作で、戦いの舞台も日本のみならず、中国やアメリカといった海外にまで及んでいる。

 そのなかでも、作中で渾身の“必殺技”が不発に終わってしまったキャラクターといえば、第3部『範馬刃牙』にて登場した純・ゲバルだろう。

 アメリカ合衆国によって管理されているアリゾナ州立刑務所「ブラックペンタゴン」に収容される囚人の一人で、監獄を仕切っているビスケット・オリバに戦いを挑もうとした主人公・刃牙の前に姿を現した。

 飄々とした掴みどころのない性格をしているが、監獄では「ミスター2(セカン)」の名で恐れられている実力者。祖父から「無隠流忍術」を叩き込まれた戦闘のスペシャリストで、格闘術はもちろんのこと対拳銃や対爆薬といったあらゆる局面への対処法に長けている。

 そんなゲバルだが、監獄の頂点に立つオリバとの戦いのなかで、自身が持ちうる最大の“必殺技”を発動することとなった。

 その“必殺技”とは、大地の奥の奥……なんと地球の“核”を支えに踏み抜き、その反動を全利用して相手を殴るというもの。その圧倒的なスケールに観戦していた刃牙も唖然とするなか、ゲバルは宙を舞うオリバ目掛けて渾身の一打を発射。

 この大技によって勝利をもぎ取った……かに見えたが、実は一手早くオリバの拳がゲバルを捉えており、結果、技の威力も分からないまま敗北を喫してしまった。

 はたして地球の“核”の支えを利用したパンチとはどれほどの威力なのか。思わずその先を予想してしまう、なんとも壮大な“必殺技”である。

 

 作中では惜しくも不発に終わってしまった“必殺技”たちだが、メディアミックスでその全貌が明らかになったりと、のちにその真の効果が明らかになる場面も多い。技の名前やわずかなディテールから、その効果を想像してみるのも一興だろう。

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