■『仮面ライダービルド』本作のおやっさんであった石動惣一が!?
最後は、2017年から放送された『仮面ライダービルド』から、カフェ「nascita」のマスター・石動惣一を紹介する。
第1話から登場した惣一は、ヒロイン・石動美空の父である。記憶喪失になって途方に暮れていた桐生戦兎を見つけ面倒を見ており、本作において“おやっさん”的な人物だった。
第13話「ベールを脱ぐのは誰?」で、皆が寝静まる夜中、店地下にあったフルボトル、パンドラボックスとパネルを持ち去ろうとしているところを戦兔に呼び止められた惣一。そして、その正体が悪の組織・ファウストの幹部ブラッドスタークだと判明する。
ブラッドスタークは、幾度となくビルドの前に立ちふさがり、その都度ビルドの手の内をすべて知っているかのような戦い方をしていた。それもそのはず、戦兔たちのすぐ近くにいた人物だったのだから当然だろう。
正体がバレると、そのままフルボトルやパンドラボックスなどを持って逃走。そして店から十分離れたところでブラッドスタークに変身した。コブラロストフルボトルをトランスチームガンにセットし「蒸血」の掛け声で変身する姿……戦兔のみならず、視聴者の多くが裏切られた気持ちになったことだろう。思えば、マスターでありながらバイトと言っては、たびたび店を留守にする姿が怪しかった。
さらに物語後半では、その惣一も火星文明を滅ぼした張本人である地球外生命体・エボルトに体を乗っ取られ操られていたことが判明する。エボルトは火星と同様、地球を滅ぼして自らのエネルギーにしようとしていたのだ。
惣一は第33話「最終兵器エボル」で、念願のエボルドライバーを手にし仮面ライダーエボルに変身する。その後、最終回まで戦兔や万丈たちを苦しませ続けた。
今回は、特撮作品で「実は同一人物だった」という驚きの展開を紹介してきた。いずれもラスボスもしくは強敵幹部といった超重要人物であり、当時視聴していた子どもたちはおおいに驚いたことだろう。
“特撮あるある”と言えるほど定番の展開かもしれないが、驚きと楽しみを与えてくれる重要な要素の一つだろう。