■21世紀ガンダムの問題カップル
最後は2002年放送のテレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』のキラ・ヤマトとフレイ・アルスターの問題児カップル。
1月26日に映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が公開され、歴代劇場版シリーズ最高興行収入を記録するなど話題となっている『ガンダムSEED』シリーズだが、このカップルは放送から20年以上経った今も語られるほどに……いろいろあるのだ。
遺伝子操作を受けて生まれた人類「コーディネイター」と、遺伝子操作をされていない人類「ナチュラル」が、軍事組織・ザフトと地球連合軍に別れて争うようになった世界を描く同作。
フレイはキラと同じカレッジに通う1期後輩の生徒で、キラの友人でもあるサイ・アーガイルと婚約関係にあった。学園でも目立つ美少女だったが、父親が過激な反コーディネイターを掲げる団体・ブルーコスモスの一員であり、そのため彼女もまたコーディネイターに対して強い偏見を抱いていた。
そして、ある戦闘で、父がザフトの攻撃を受け死亡したことで、彼女の憎悪は大きくなってしまう。
そのときフレイは、コーディネイターであるキラに対し、「あんた、自分もコーディネイターだからって、本気で戦ってないんでしょう!」と詰め寄るが、ファンの間でガンダム界屈指の「悪女」とも呼ばれる彼女は非常にしたたかだった。
弱っているキラと自分に寄せる恋心に付け込み、彼の強さを利用することで父の仇であるコーディネイターへの復讐を果たそうとしたのだ。
そしてお茶の間を凍らせた衝撃のベッドシーンを経て、サイに浮気がバレて……と、ひと悶着ある中、フレイは利用しようとしたキラの優しさに惹かれていってしまう。だが、逆にキラはフレイが自分を利用している、と気が付き距離を置くように。結局、和解する前にキラが消息不明となり、それっきりとなってしまう。
そしてすれ違ったまま迎えた最終決戦。フレイの乗っていた脱出艇が撃沈され、二人は死別という形で破局してしまうのだ……。
シリーズでも珍しくドロドロな恋愛を見せてきたこのカップル。特にフレイはファンの間でもかなり賛否あるキャラだが、戦争が彼女を歪ませてしまったのは言うまでもない。最終話「終わらない明日へ」ではフレイはキラの前に思念体としてあらわれ、「ずっと謝りたかった」「本当の私の想いが、あなたを護るから」と伝えるシーンがある。最後のその発言を見るに、やはり根はとても優しい女性なのだろう。
戦争がなければ、そのままサイと幸せな生活を送っていたと思われるが、仮にその婚約がなかったとしたら、平和な世界でフレイとキラが結ばれる未来もあったかもしれない。
ということで、戦争さえなければ結ばれていたかもしれないカップルを紹介していった。他にも、アムロ・レイ&フラウ・ボゥや、バーニィ&クリスなど、平和な世の中で生きる様子を見てみたいカップルは多くいる。あなたが想いを馳せるカップルはいるだろうか?