『北斗の拳』ケンシロウに『『魁!!男塾』江田島平八も…漫画に登場する“基本タメ口”の強者たちが他人に敬語を使ったレア展開の画像
ゼノンコミックス『北斗の拳』(コアミックス)第1巻

 漫画キャラのなかには、他人に敬語を使いそうにない強者がいるものだ。キャラの設定上でそうなっているかと思いきや、意外なところで敬語を使っているから驚くことがある。

 さて、そんな強者たちが敬語を使ったレアな場面を振り返ってみよう。

■婆さんとザコキャラに敬語を使うレアなケンシロウ『北斗の拳』

 荒廃した世界の『北斗の拳』(原作:武論尊氏、作画:原哲夫氏)では、強者たちが敬語を使う要素がほとんど見られない。子ども時代の回想シーンを除いて、主を持たないラオウやカイオウ、サウザーだけでなく、ほかのキャラも敬語を使わないことが多い。

 しかし、主人公・ケンシロウは一味違う。作中長く登場するだけに、敬語を使うシーンが時折見られるのだ。

 そんなケンシロウの敬語がハッキリと使われているシーンといえば、バットが育った村の老婆・トヨに井戸についての質問をするときだ。「なぜ皆 井戸を掘りあてようとしなかったのですか!?」と、綺麗な敬語で優しく問いかけている。おそらく身寄りのない子どもたちを引き取り育てているトヨに対し、敬意を表しているのだろう。

 また、意外にもザコキャラに敬語を使っているシーンがある。終章ではコウケツの農場に潜入するため敵にわざと捕まり、ザコキャラ相手に手枷をされた状態で「いや ハエが…」「いいですか…」「あっ…そこ…」「動かないで」と言いながら、そいつの頭をペシッとひと叩き。

 痛いとわめくザコを気にせず「ああ とれました」と、クールに去っていくケンシロウ。もちろん、このザコキャラは秘孔を突かれているのだが……。ちょっと笑ってしまったな。

■さすがの塾長も警官には一応丁寧な対応? 『魁!!男塾』の江田島平八

『魁!!男塾』(宮下あきら氏)では、“人類最強”を誇る男塾の塾長・江田島平八が意外にも敬語を使っているシーンがある。基本的に「わしが男塾塾長 江田島平八である」しか言わないのだが、初期のころには警官に敬語を使っていた。

 江田島は二号生筆頭・赤石剛次と一号生筆頭・剣桃太郎の対決を仲裁し、男塾名物「殺シアム」を開催。そして、赤字解消のために金もうけを企む。これが大人気となり、露店までも出店されて大いに賑わうのだが、当然警察も出動してくる。

 実は江田島は戦車を使って楽享大学へ殴り込みをかけており、そのときに“映画のロケーション”と称して警官をごまかしていた。しかも「青春アクション大河ロマン『わしが江田島だ』」などと言ってるし……どんな映画やねんと突っ込まずにはいられない。

 そして「殺シアム」の情報を聞きつけて駆け付けたこの警官たちに、「ほお これは奇遇ですな」からはじまり、「ハッハハ これは学芸会ですわ」と高笑い。そして、「さ 巡査さんたちも席を用意しときますので ごゆっくりしてってください」と案内していた。すっかり騙されている警官たちもどうかと思うのだが……。

 まあ、このときの塾長は普段とは違い、経営者としての顔を見せていたのだろう。大人の対応もできるのが魅力的ではないか。

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