『ドラゴンクエスト』シリーズのなかで、便利な存在といえるのが「ふくろ」だろう。『ドラクエ6』から登場し、数多くのアイテムを複数持てるようになった。それまでは預かり所を利用しなければならなかったため、とくに回復アイテムなどは計算して持ち運ぶ必要があり、なかなか大変だったものだ。
さて、ファミコン版の『ドラクエ』シリーズでは「ふくろ」がなかったので、持ち物整理で苦労した記憶がある。振り返ってみよう。
■3人パーティーでも最終決戦へはどのアイテムを捨てていいのか迷った『ドラクエ2』
ファミコン版『ドラクエ2』では、3人パーティーになる。1キャラ8個で、最大24個のアイテムを持ち運べるようになった。装備品やカギはそれぞれ必要であり、回復系のアイテムを含めると、けっこう圧迫されてしまう。しかし意外にも、実はほとんどのアイテムを捨てても問題ない作品だった。
しかも本作では、上位のカギを持っているからといってすべての扉を開けることはできない。扉を開けられる“アバカム”を覚えるのもかなりあとだし、序盤で手に入る「ぎんのカギ」も捨てていいのか分からないので、結局最後まで持っていることがほとんどだった。
ゆえに最終決戦へ挑む際、どのアイテムを捨てていいのか迷ったものだ。しかし「じゃしんのぞう」と「ルビスのまもり」だけは捨てられない。カギを3つ持っていると、すでに5個のアイテムが決まってしまう。
もちろん、装備品は重要だ。ローレシアの王子はロトシリーズの防具と「はやぶさのけん」に「はかいのつるぎ」、サマルトリアの王子は「ちからのたて」と「みずのはごろも」に「はやぶさのけん」、ムーンブルクの王女は「いかづちのつえ」(リメイク版では「いかずちのつえ」)「ふしぎなぼうし」「みずのはごろも」。
これに「まよけのすず」を各人持たせておき、MP温存のためローレシアの王子とムーンブルクの王女に「ちからのたて」を持たすと、すでに21個となっている。なんと残り3つしか持てない。そうなると「ふっかつのたま」「いのりのゆびわ」「せかいじゅのは」が候補にあがるので、「てつのやり」「ゴールドカード」は諦めるしかない。
筆者なんて、船が手に入るころには不要になる「かぜのマント」をいつまでも大事に持っていた。ゲームの難易度もさることながら、学校の宿題以上に頭をフル回転させたゲームだったものだ。
■一人旅の”ちきゅうのへそ”で「だいちのよろい」の凄さに「ブルーオーブ」が拾えなかった『ドラクエ3』
『ドラクエ3』では4人パーティーになるうえ、「預かり所」が登場したので、持ち物整理は少しマシになった。ただし預かり所では手数料を取られてしまうから、注意が必要ともいえる。それにしても、難関ポイントだったのが“ちきゅうのへそ”だ。
ここのダンジョンは一人で挑まなくてはならない。当時は攻略本を読まずに挑んだので、いきなり不安になってしまった。おそらくほとんどのプレイヤーは、勇者で挑んだことだろう。筆者もそうだった。「やくそう」を少し多めに持たせておき、「いかづちのつえ」を持って「ほしふるうでわ」を装備して挑もうと思ったものだ。
ただ、持ち物は8つまでとなっており、装備品を含めるとすでにいっぱい。ここにはクリアに必須な「ブルーオーブ」があるので、最低1つは空けておかないとならない。しかしその前に扉があるので、「とうぞくのカギ」を持たせておく必要がある。
そうなると「やくそう」は途中で消費するしかない。装備品4つと「いかづちのつえ」「ほしふるうでわ」「とうぞくのカギ」で7つ。残りは「ブルーオーブ」と引き換えに、「やくそう」を持たせておこう。
ところが、ダンジョンでは意外にも敵が弱い。「いかづちのつえ」は不要かと思ったもの。しかし、冒険のスタートから4人パーティーの本作では、“一人旅”というのが不安で仕方なかった。
そして宝箱を開け、「だいちのよろい」を見つけたときには「おお! 何か凄そうだ」とテンションが上がる。しかも守備力もかなり高い。これはラッキーと思ったのもつかの間、これでは「ブルーオーブ」が手に入らないではないか……。
現在、身に着けている防具を捨てるのはもったいないし、……というか4人パーティーでゴールド集めが必要な本作では少しも無駄にしたくないものだ。結局脱出し、もう一度トライする羽目になってしまった。