『キン肉マン』や『BASTARD!!』にも… 理不尽すぎる!? バトル漫画に登場する神々の愚行の画像
キン肉マン キン肉星王位争奪編 VOL.3 [DVD]/東映ビデオ

 バトル漫画にはときおり神々が登場する。その中にはとても信仰できそうにない存在も現れ、おまけに人類の生殺与奪の権利を主張してくることさえあるから厄介だ。

 今回はその中から、気分一つで相手を滅ぼそうとしてくるとんでもない神々の愚行をみていこう。

■超人を絶滅させるほどの威力!人間には無害な『キン肉マン』カピラリア七光線

 ゆでたまご(原作:嶋田隆司氏、作画:中井義則氏)による『キン肉マン』では、超人を全滅させるほどの威力を誇る「カピラリア七光線」というものが存在している。

 カピラリア七光線は超人には毒素となり、これを浴びてしまうと急激な老化現象が引き起こされてしまう。とんでもない光線で、「キン肉星王位争奪編」では、特殊な体を持つプリズマンが必殺技のレインボー・シャワーとして発射していた。

 その威力はキン肉マンゼブラを溶かして白骨化してしまうほど。いやはや、もはやプロレスでも何でもないぞ。

 さて、このカピラリア七光線はもともと、慢心して欲望のまま争いを繰り広げる超人たちを滅ぼすために超人の神々が使用したものだ。超人のみを滅ぼす効果を持っていることからもわかる通り、いわば超人に対する神からの「裁き」のようなものである。凄まじい殺傷能力を誇り、ほとんどの超人たちが死滅しているというほどである。まったく、神なのになんてことをするんだ……。

 超人には有害でしかない光線だが人間には無害というので、……まあ良しとするか。

■暗黒の破壊神を倒そうとしたら、まさか神々のほうがタチが悪いという始末…『BASTARD!! ー暗黒の破壊神ー』

 萩原一至氏による『BASTARD!! ー暗黒の破壊神ー』では、サブタイトル通りの邪神というべき破壊神・アンスラサクスが登場する。ダークファンタジーのラスボス的存在なのだが、巨大な存在でもはや人知の及ぶところではない。見た目も怖いので、初めて読んだときはショックを受けたものだ。

 主人公のダーク・シュナイダーは闇の力を活性化させてコイツを蹂躙する。やがて圧倒的な実力を見せて勝利をおさめたかと思いきや、崩壊するアンスラサクスから現れたのは何と天使たち。そう、アンスラサクスは高次元の存在である天使たちが受肉するための触媒に過ぎず、人類を滅ぼそうとしたのは実は神と天使だったというからビックリ仰天だ。

 どことなくウルトラマンチックな天使たちは戦闘能力がもはや人間レベルではない。しかも人間を無差別に惨殺するから恐ろしいモノである。

 ちなみに、これを解説するときのアビゲイルが興奮気味で気持ち悪かった(普段から気持ち悪いが)。ヨハネの黙示録にある予言が現実のものとなって、人類に衝撃的な絶望感が襲い掛かるのだが、筆者はこの手の展開を読むといつも思ってしまう……。何で神や天使がいちいちそんなことをするんだ?

 たいてい人類が無謀な争いをして傲慢なので、「神が怒って人間に罰を与える」というのがよくある展開。いやいや、人間作ったのが神なら自分が責任を取れよ……ってダーク・シュナイダーばりに指を差してやりたくなるな。まったく小さいことに目くじら立てて、神や天使のほうがタチが悪いぞ!いや、そんなことを言ったら何かバチが当たりそうだからやめておこう。

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