■完成度の高いミニゲーム集! ゲームギア『クレヨンしんちゃん 対決! カンタムパニック!!』
『クレヨンしんちゃん』のゲームは、メガドライブ、3DO、プレイステーション、ゲームギアなど、任天堂ハード以外からも発売されていた。
1995年、バンダイから発売されたゲームギアソフト『クレヨンしんちゃん 対決! カンタムパニック!!』は完成度の高いミニゲーム集だ。9種類あるミニゲームは、野原家や幼稚園のお友達などお馴染みのキャラクターたちと対戦するものとなっている。
内容もプールでのゴムボートレースや、いもむしを水鉄砲で撃って相手側のエリアに押し込むものなど、原作の雰囲気を感じさせてくれるものばかりだ。とくに本作のタイトルにもなっている風間くんとの“カンタムバトル”は非常に熱かった。
これらのミニゲームの数々は『オラ夏』や最新作の『炭の町のシロ』にも、どこか通ずるものを感じる。
■初のフルボイス! GBA『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ オマケの都ショックガーン!』
2006年、バンプレストから発売されたゲームボーイアドバンス『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶオマケの都ショックガーン!』は、アクション仮面などのコスプレを駆使してステージを進んでいく横スクロールアクションゲームだ。
本作は完全新規シナリオを採用し、そのシナリオパートは『クレヨンしんちゃん』初の全編フルボイス作品となっている。しんちゃんの声を矢島晶子さん、父・野原ひろしの声を藤原啓治さんなど当時の声優が務めており、今聞くと懐かしくて、それだけで嬉しくなってしまう。
発売の翌月には、このゲームのストーリーを元に作られたアニメスペシャル「食玩あつめてショックガーンだゾ」も放送されている。さらに2010年には、クレヨンしんちゃん20周年記念作品としてニンテンドーDS版『クレヨンしんちゃん ショックガ〜ン!伝説を呼ぶオマケ大ケツ戦!!』も発売されるなど、『クレヨンしんちゃん』ゲームの中でもとくに人気の高かったタイトルだった。
■3DSの良作!『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ カスカベ映画スターズ!』
最後は3DSの良作、2014年にバンダイナムコゲームス(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売された『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ カスカベ映画スターズ!』を紹介する。
『クレヨンしんちゃん』は劇場作品も名作揃いだが、本ソフトは発売当時までに公開された劇場版21作品をもとにしたアクションゲームとなっている。
多数の劇場版キャラクターが登場し、このソフトのために新たに収録、さらにその声優のほとんどがオリジナルキャストであるのも嬉しいポイントだ。キャラクター同士がいきいきとした掛け合いを見せてくれる。
また、滑らかなアクションなどゲーム面でも素晴らしく、筆者が好きな映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』での、野原家が車で敵陣に突っ込んでいく名シーンなども再現されている。制作陣の本気を感じる良作ゲームだ。とくに劇場版ファンには、ぜひ挑戦してみていただきたい。
今回は歴代のクレヨンしんちゃんゲームを振り返ってみた。ギャグ満載の原作とアニメだが、ゲームもその特徴を存分に取り入れていた。いずれのゲームもしんちゃんをはじめお馴染みのキャラクターが多く登場し、後期のハードに至っては声優などにもこだわりを感じられる。とにかく『クレヨンしんちゃん』ゲームは、原作愛を感じるものばかりだった。いちファンとして、これからも原作の雰囲気を大切にしたゲームを期待している。