■個性的なヤンキーヘアを忠実に再現した『東京リベンジャーズ』

 時代の流れとともに、昭和の王道リーゼント、パンチパーマ、モヒカンなどは少なくなり、自由なヘアスタイルのヤンキー漫画が増えていった。令和では、和久井健さんによる漫画『東京リベンジャーズ』が最たる例だろう。

 同作に登場する少年たちは一人として同じヘアスタイルがおらず、ツーブロックやパーマ、三つ編み、頭皮タトゥーなど奇抜なヘアスタイルで個性を貫いている。

 そして同作は、2021年に実写映画化され、原作キャラを極めて高いクオリティで再現した俳優たちのビジュアルも話題となった。マイキーこと佐野万次郎を演じた吉沢亮さんの再現率の高さも素晴らしかったが、インパクトが大きかったのはドラケンこと龍宮寺堅を演じた山田裕貴さんだろう。

 山田さんは、辮髪×タトゥーという奇抜なヘアスタイルをリアルに再現すべく、自らの意志で地毛を剃り上げ、髪を脱色して挑んだ。撮影期間中はずっとこの辮髪をキープし、他の撮影はウィッグで対応していたというから驚きである。

『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』では、灰谷兄弟が「原作そのまま」と話題を集めた。特に、センター分けの金メッシュ、三つ編みおさげの灰谷蘭を演じた栗原類さんは、背格好や表情も相まって、まるで漫画から飛び出したのかと思うほどのクオリティだった。

 さらに、同作では刈り上げツーブロック×金髪リーゼントの松野千冬の中学時代を再現した、高杉真宙さんにも称賛の声が集まっていた。

 現実に落とし込むのが難しい奇抜ヘアだが、今回紹介した俳優たちは、原作との違いや違和感を最大限に抑え込んでいると言えるだろう。原作と比較しながら、再視聴してみるのも面白いかもしれない。

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