2月11日で34周年を迎えた『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』では、タイトルにもなっている“導かれし者たち”がオムニバス形式でそれぞれ主役を張っている。なかでもやり込み甲斐があって人気が高かったのは、第三章の武器屋トルネコではないだろうか。
レベルを上げてボスを倒すというのではなく、ドラクエシリーズでも珍しいお金を稼ぐことをテーマとしており、当時筆者もかなりやり込んだ覚えがある。
さて、そんなトルネコは第五章では馬車要員となりやすいのだが、実は導く側だったかもしれない……。彼が残した功績を見ていこう。
■キツネ退治をして橋をかけるのに貢献
レイクナバの町からスタートする第三章。トルネコは武器屋で働いている。といっても彼のお店ではなく、雇われ店員のようなものだ。愛妻と可愛い息子のために懸命に働く姿はまさにサラリーマンで、『ドラクエ』の世界ではちょっと意外といえる。
レイクナバを出てみると、ボンモールがエンドールに攻め入ろうとしていることが分かる。国同士の戦いになれば武器商人が儲かる……とはいえ、まずは壊れた橋を直さないとならないのだが、その施工を担当する「ドン ガアデ」という職人は踊り子に化けたキツネにたぶらかされ、虜になってしまっていた。
何とも情けないオジサンなのだが、キツネは犬のトーマスを連れて行けば追い払うことが可能。トルネコはキツネを退散させ、うつつを抜かしていたドン ガアデを我に戻し、橋を開通させるのだ。
ドン ガアデは王の依頼をいとも簡単に断るほどだったので、よほど居心地が良かったのだろう。とはいえ、トルネコのおかげでボンモールとエンドールの国同士が交流できるようになる。この出来事は、この地方に住む人にとって大きな転換となっただろう。
■何度もおつかいしているうちに二国の戦争を回避
さて、ボンモールの王様から防具が必要と相談され、トルネコは防具を探すようになる。このイベントがまた楽しい。敵モンスターのドロップ率も高いし、お城では通常の店頭価格よりも高く買い取ってくれるのだ。何度も通うようになると値段交渉がちょっと面倒になるのだが……。
そして、エンドールのモニカ姫とボンモールのリック王子の恋仲を取り持ち(手紙を届けるだけ)、この二国の戦争の回避にも貢献する。これって意外に凄いことだろう。以降の『ドラクエ』シリーズでは人間同士が争い、町や国が攻め入られることがあったもの。本作でのトルネコは、平和の使者ともいえるだろう。