■MA界で頂点を取れたかもしれない機体「レグナント」
続いて『機動戦士ガンダム00』セカンドシーズンに登場した、大型の機体「レグナント」を紹介したい。
フォルムやカラーリングは『機動戦士ガンダムZZ』に登場する「キュベレイMkーII」に類似しているが、MA形態では全長40mを超える巨体を持つ。空戦や宇宙空間での運用を主としているため基本的にはMA形態だが、MS形態になることで地上戦や接近戦にも対応している。
MAといえば化け物じみた形状の機体が多いが、その中でもレグナントのデザインは比較的シャープな見た目をしており、薄めの形状とその巨大な両翼はステルス戦闘機を想起させる。前方に突き出すように搭載された10基の巨大なGNファングは、射出せずに高速移動するレグナントに刺突されるだけで、通常サイズのMSなら大破してしまうだろう。
軌道を曲げられる大型ビーム砲や、パイロットに直接ダメージを与える“エグナーウィップ”など多彩な武装を搭載しているため、機体自体のポテンシャルは高いと言えよう。
唯一、パイロットが元民間人のルイス・ハレヴィではなく人造人間の“イノベイド”であったならば、戦場にさらなる混沌をもたらしたのではと思われる、なんとも惜しい機体だ。
■見た目で侮ることなかれ「ガンダム・スカイ」
最後におまけとしてガンダムMAモード、通称「ガンダム・スカイ」にも触れておこう。
アムロ・レイ考案であるこの特殊な形態は対MA用として実戦投入され、ガンダムの下半身にGファイターのBメカをドッキングさせた機体となっている。下半身は機動力、上半身は戦闘力を重視したこの形態はさながらケンタウルスのようで、ザクレロとの高速戦闘で見事に戦果を挙げた。
運動性をそぎ落とし小回りが効かなくなっているとはいえ、短期決戦でザクレロを仕留めたこの武骨な姿は印象的で、忘れられないMA形態のひとつだ。
MS形態の凛々しいたたずまいから、MA形態の不気味な姿に変形できる可変機体。それぞれの姿で違う機体であるかのような戦い方ができるため、その2面性に惹かれる人も多いことだろう。
MA形態の不気味さをそもそも毛嫌いしてしまっている人は、あらためてその多彩な戦い方にも目を向けてみていただきたい。「そんな姿でこんなに活躍できるの!?」と新たな発見ができるとともに、少しずつその見た目にも愛着が湧いてくることだろう。