1987年2月10日にリコーエレメックスから発売されたのが、ファミコンソフトの『新人類』だ。開発はハドソンが担当しており、なかなか面白かったアクションシューティングゲームだった。
このゲームは、当時人気プロレスラーだった長州力さんとタイアップしていた。宣伝を見て、当時小学生だった筆者は「長州力になれる!」と喜び、興奮したものだ。さて、そんなゲーム『新人類』を振り返ってみよう。
■当時絶大な人気レスラーだった「長州力」がまさかの笑顔で宣伝…!?
1987年あたりはプロレス団体も多くややこしかった。長州さんが社長になっていたジャパンプロレスと全日本プロレスの関係や、長州さんの新日本プロレスへの復帰秒読みなどといった動きなどは、小学生の筆者から見ればまったく意味が分からなかったもの。
しかし、そんな背景とは関係なく、長州さんがテレビCMにゲームの宣伝で登場したものだから、かなりビックリした。しかもニコニコしながらゲームをしている……。
普段リングで見せる鬼気迫る雰囲気とは一転、とてもフレンドリーに見えてとても新鮮だった。「力(リキ)がすべてだ!!」というキャッチコピーのもと、筆者も「長州力になろう!」と、お年玉から『新人類』の購入を決意したものだ。
そういえば、小学校時代、クラスではプロレスの話題で盛り上がることも多かった。アントニオ猪木さんを筆頭に、タイガーマスクさんや藤波辰爾さんのほか、ダイナマイト・キッドさん、ハンセンさん、ホーガンさん、ブッチャーさんなど、外国人レスラーも楽しませてくれた。
だが、筆者世代にとっては、やはり長州さんが一番人気かもしれない。入場曲の「パワーホール」が最高にカッコよく、のちに着メロにしていた知人もたくさんいたものだ。
そういえば、長州さんは雪印(現:雪印メグミルク)の乳酸飲料『ローリーエース』のCMにも出ていたな。母に頼んで買ってもらい、氷漬けにして飲もうとしていたものだ。
■さすがのハドソン! 難易度が高く根気が試される…
『新人類』は巨大恐竜に生身の肉体で立ち向かう主人公・マックスを操作する。恐竜の時代に人類がいるのが不思議だが、彼は石やオノ、タイマツなどを投げつけて敵を撃破していくのだ。
強制縦スクロールで敵キャラも多く難易度もかなり高いのだが、当時はなんとかクリアしようと必死になったもの。コンティニューで何度もやり直しが可能なので、慣れれば少しずつ先へ進めるようになるから根気が試される。このあたりは、さすがハドソンといえるものだった。
また、縦スクロールシューティングゲームは武器の選択でボタンを使い分けていたものだが、『新人類』ではジャンプ機能がついていた。ジャンプでかわしていくというのは、横スクロールアクションゲームでは王道の機能だが、縦スクロールに採用するのは斬新といえるだろう。