アニメの放送終了からおよそ20年の時を経て公開された新作映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』。『ガンダム』映画としては公開直後から空前のヒットを飛ばしており、ファン層が絞られる作品ながらどこまで興行収入を伸ばすか注目を集めている。
そんな『SEED』シリーズ熱が高まった一部のファンたちは、“神ゲー”と謳われるPS2専用ソフト「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合VS.Z.A.F.T.II PLUS」(以下、連ザ2プラス)に想いを馳せる人も多いようだ。
今回は『SEED』シリーズブームの再燃により回顧させられる『連ザ2プラス』が、いかに“神ゲー”だったかを綴っていこうと思う。
■末永く愛される「VS.」の地盤を固めたゲーム
“神ゲー”と称される『連ザ2プラス』は単発のゲームではなく、2001年にカプコンが開発し、アーケードゲームとして稼働した『機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン』の流れを汲むシリーズものの一つで、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の世界観にフォーカスしたゲームだ。
もともと『ガンダム』ファンから一定の人気を集めてはいたが、『SEED』シリーズに特化した『連ザ』の登場によって幅広い層の『ガンダム』ファンからも人気を集め、今なお続く「VS.」シリーズの人気を加速させるものとなった。
■“種割れ”が如きスピーディで直感的な戦闘システム
『連ザ』の魅力は、そのスピーディで爽快感のある戦闘システムだ。特筆すべきは、後続の「VS.」シリーズでは当たり前となった「ブーストダッシュ」の導入である。
このシステムが『連ザ』の一作目にて導入されたことで機体の高速移動が可能になったほか、空中でステップすることで敵の攻撃を避けるなど、スピーディかつ立体的な戦闘が可能となったのである。しかし、プレイヤーによってシステムの隙をついた「ステップキャンセル」が発見され、戦闘においての定番テクニックとして制作側の意図しない戦い方が定着してしまった。
そうした特殊なテクニックに弱体化を加え、各種バランス調整して発売されたのが『連ザ2プラス』である。「ブーストゲージ」の消費量を増加させることで「ステップキャンセル」のメリットを抑え、より敵機の行動を見極めることを重要視しなければならない、駆け引きの要素が加えられたのである。
一定時間ステータスを上昇させる「覚醒」は、スピード・ラッシュ・パワーの三種類から自由に選択できるようになり、同一機体でも戦い方によって差が出るような修正が加えられた。
一作目よりも瞬間的な判断がより重要となり、個々の技術への依存度が高まったこの修正は、対戦ゲームとしての質とプレイヤーの熱をより高めるものとなったのである。