敵を倒して少しずつレベルを上げ、世界中をくまなく冒険してようやくたどり着くラストダンジョン。そして念願だったラスボスを何とか倒して迎える、RPGのエンディングは極上だ。
しかし、そんな正攻法とは別に、裏ルートからチョチョイと歩くだけ……ゲーム開始からものの数分でレアなエンディング画面を見られる「裏技」が用意されているタイトルもあった。今回はファミコン&スーパーファミコン時代にあった、「早すぎるエンディング」が用意されていたRPGをいくつか紹介したい。
■冒険をやめていきなり引退宣言
まずはRPGといったら中世ファンタジーだった、ファミコン当時の子どもたちの既成観念をぶち壊したデータイーストの名作『メタルマックス』の早すぎるエンディングを紹介したい。
荒廃した近未来を舞台に、主人公が拾った戦車に乗り込み戦うという本作。賞金首を狩ることで金を稼いだり、戦車やバギーに穴を空けたり大砲をつけて改造したりといった、レベルアップ以外の育成要素を多く登場させるなど、「竜退治はもう飽きた」というキャッチコピー通り異色な部分が多い。
そんな中で、遊び要素のひとつとして用意されていたのが本作ならではのエンディング。主人公はハンターになるという夢を父に反対され勘当されているが、「とうちゃん」に引退を宣言することで、いつでもゲームを終わらせることができるのだ。
引退のタイミングは、実は最初の戦車を手に入れて以降であればいつでも実行可能なため、数十分プレイしただけでエンディングに直行できる。
もちろん、ほとんど冒険していない状態でのエンディングなので、かなり味気ないものになってしまうが、いきなりの引退エンディングはそれはそれでレアな存在だろう。
■0人斬りでも100人斬りでもない“レア”エンド
他のRPGとは一線を画すチェッカーバトルシステムの採用。全く戦闘が無かったり、格闘ゲームっぽかったりと、個性的なパートに分かれていて、戦闘以外にも尖った個性があったスーファミ用RPG『ライブ・ア・ライブ』。
2022年にはリメイク版が発売されたが、こちらもグラフィックやゲームバランスに大幅な改善が行われ、旧来のファンにも好評なゲームとなった。そんな『ライブ・ア・ライブ』の早すぎるエンディングは「幕末編」で見ることができる。
幕末編の目的は、尾手城に囚われている人物の救出だ。幕末編は、その尾手城の入り口からスタートとなるが、入り口から出ることができる。何度か選択肢が出るものの、任務を放棄し、抜け忍になる道を選ぶということだ。
城を出ると、抜け忍となったおぼろ丸に、忍者が襲い掛かってくる。炎魔忍軍頭目のハヤテとも戦うことになるので、初期レベルのおぼろ丸では太刀打ちできずに、ゲームオーバー。抜け忍エンディングとなる。
しかし、実はこのバトルは負けイベントではなく、勝つことができる。尾手城内で戦闘をこなし、レベルを上げればハヤテを倒すことが可能だ。ハヤテを倒した場合には、また別の専用エンディングが見られるが、その場合もバッドエンディングが待っている。また、正規のエンディングとはみなされないので、幕末編は未クリアとなる。