■ゲームではレシラムじゃなくて…『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ ビクティニと白き英雄 レシラム』レシラム・谷原章介
『劇場版ポケットモンスター ベストウィッシュ ビクティニと黒き英雄 ゼクロム』と同日公開の『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ ビクティニと白き英雄 レシラム』で、ゼクロムの対になるポケモン・レシラムを演じたのが、谷原章介さんだ。
ゼクロムと対照的な純白の姿が美しい伝説のポケモン・レシラム。物語冒頭「真実はそこにある」というセリフをはじめ、谷原さんの優しくも力強い声が加わることで、より神々しい存在に思えた。
以前からポケモンファンであるという谷原さん。『ポケットモンスターBW』もプレイ済みだったそうで、ゲーム版ではレシラムではなくゼクロムを仲間にしていたことを明かし、「正反対のキャラクターを演じるのは新鮮な気分で、やっていて楽しかった」と語っていた。
■人間の子どもを育てる心優しいポケモン『劇場版ポケットモンスター ココ』ザルード・中村勘九郎
最後に、2020年公開の『劇場版ポケットモンスター ココ』から、ザルードを演じた六代目中村勘九郎さんを紹介したい。
黒い体毛に鋭い牙と爪を持つザルードは、森に暮らすほかのポケモンたちからは厄介者と言われる“わるざるポケモン”。しかし本作で中村さんが演じた“父ちゃんザルード”は、人間とのかかわりを許さない群から離れ、森に置き去りにされていた人間の赤ん坊“ココ”を拾い、自らの子どもとして育てる心優しいポケモンだった。
中村さんは「歌舞伎俳優は、伝統を代々繋いでいく中で絆が生まれてくるものですが、ザルードも掟を守り続けているポケモンなので、共感できる部分も多くてグッとくるものがありました」と、ザルードと自身の境遇を重ねて語っていた。
ポケモンと人間の親子愛を描いた本作。劇中、中村さんが「ココが息子でよかった」と、ぶっきらぼうにも愛情いっぱいに伝える姿が非常に感動的だった。
今回は、『劇場版ポケットモンスター』シリーズに声優として登場していた意外な大物芸能人たちを紹介してきた。それぞれポケモン愛が伝わるエピソードを持っており、あらためて老若男女問わず、世代を超えて愛される作品だと感じた。
コロナウイルスの影響などから2020年の『劇場版ポケットモンスター ココ』を最後に新作の発表はないが、昨年、テレビシリーズではサトシからリコとロイに主人公が交代し新たな冒険もはじまっている。
劇場版の新作にもいよいよ期待が高まる『ポケモン』シリーズ。次の作品も、ぜひスペシャルな声の出演で私たちポケモンファンを驚かせてほしい。