リビングデッド師団の「ザクII」にガンダムデュナメスも…『ガンダム』の超長距離狙撃MS3選!その性能と名パイロットの名シーンを振り返るの画像
アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(C)創通・サンライズ

 1979年のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』の放送開始以来、長い歴史を持つガンダムシリーズではこれまでさまざまなモビルスーツが登場してきた。それぞれがコンセプトを持っており、その特性や武器を活かした戦術で活躍してきたが、中には超長距離からの狙撃を得意とするという「スナイパー型」も存在する。今回は、シリーズ作品の中で特に輝いた、狙撃タイプ3機体をピックアップしてみよう。

■デブリが漂う宇宙空間で遠距離から敵を貫くザクII

 まずは、2015年にアニメ化もされた太田垣康男氏の漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場したリビング・デッド師団仕様の「ザクII」だ。

 スペースコロニーの残骸が漂う、帯電したデブリ(破片物)によって雷が鳴り響く「サンダーボルト宙域」での悲惨な戦いを描いた同作。「リビングデッド師団」はミノフスキー粒子が濃いこの暗礁宙域に潜んで敵を各個狙撃するスナイパー部隊で、ザクIIにはアポジモーターやバックパックが増設されている。

 脚部には機体を固定するためのクローが備え付けられているが、大型ジェネレーター3基によって動作する大出力のメガ粒子砲である長距離ビーム砲ビッグガンによる狙撃を行うため、このクローで機体を固定するのだ。

 障害物が多い暗礁宙域においては身を隠しやすく、デブリを避けながらの進行を余儀なくされるために、モビルスーツの移動速度も遅くなる。ビッグガンによる一撃必殺の長距離射撃にはぴったりの宙域であった。

 そのため、連邦軍の侵攻部隊を寄せ付けもしなかったのだ。『サンダーボルト』冒頭では、主人公の一人であるジオン兵、ダリル・ローレンツが居場所すら判明しないうちに、連邦軍のジムを複数機撃墜する様子が描かれている。次々と落とされながら「なんで!? なんで敵には俺たちが見えるんだ」と涙を流しながら震える連邦兵のセリフなど、どこからともなく飛んでくる大出力のビームの恐ろしさが不気味に演出されていた。

■120ミリ口径の超長距離砲を携えたガンダムF90II-Lタイプ

 続いては『機動戦士ガンダムF91』の外伝的作品『機動戦士ガンダムF90』より。ガンダムF90IIとは、ガンダムF90の2号機を改修した試作機だ。ガンダムF90と同じくハードポイントシステムが特徴で、ミッションに応じたさまざまなミッションパックを装備することができる。

 今回紹介する「ガンダムF90II-Lタイプ」は、ロングレンジタイプ。つまり、狙撃を重視したミッションパックを装備したF90IIなのである。

 ビームサーベルやミサイルランチャーも装備されているが、それはあくまで接近戦用であり、緊急時にのみ使われるであろう武装だ。メインウエポンは、折り畳み式長距離狙撃用120ミリ口径マルチビームライフル「ロングレンジライフル」。120ミリ口径ということから分かる通り、かなりの大出力で実弾とビームを使い分けることも可能だ。

 威力が高いだけでなく、射程も100キロメートルと長射程を実現。地上から、宇宙空間と大気圏の境界線までと考えると、驚異的な射程だろう。

 精密照準用のサーモスコープユニットも備え付けられているので、命中精度もばっちりだ。長距離戦においては死角なしの超性能となっている。

 漫画『機動戦士ガンダム クライマックスU.C.紡がれし血統』では、ナナ・タチバナが搭乗。宇宙移動要塞イルルヤンカシュ攻撃戦にて、得意の超長距離狙撃でクロスボーン・バンガードの機体を多数撃墜している。

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