■三大少女向け漫画雑誌と肩を並べ、多くの派生タイトルの元となった…『ひとみ』『ボニータ』

 最後は秋田書店から1978年に発行された『ひとみ』と、元は『月刊プリンセス』の増刊として創刊され1981年に月刊誌となった『ボニータ』を紹介。

 かつての『ひとみ』は全盛期に50万部発行され、集英社『りぼん』など三大少女向け漫画雑誌とならぶ雑誌だった。『王家の紋章』の細川智栄子氏、『本気!』の立原あゆみ氏、他にもあなだもあ氏やイケスミチエコ氏など人気ベテラン作家が連載。なかでも、2度のアニメ化を果たした英洋子氏の『レディ!!』、しらいしあい氏の『わたしのあきらクン』が人気だった。そんな同誌も1991年8月号で事実上廃刊となるが、筆者はあしべゆうほ氏の『テディ・ベア』の続きが読めずに当時ショックだったのを今も覚えている。

 一方の『ボニータ』は、市東亮子氏の『やじきた学園道中記』、あしべゆうほ氏の『クリスタル・ドラゴン』、高橋美由紀氏の『9番目のムサシ』、そして高階良子氏の『マジシャン』など当時の少女漫画としてはとがった作品が多かった。同誌は“〇〇ボニータ”と名の付く派生誌が多数創刊されたが『ミステリーボニータ』以外は全て休刊してしまい、本誌となる『ボニータ』も1996年2月号で休刊した。

 いずれの雑誌も、現在では手に取る機会も難しいものばかりだが、そこで掲載された作品は電子コミックなどで今も変わらずに読むことができる名作ばかり。これらを雑誌としてまとめて読めていた時代とは、改めてどれだけ贅沢なものだったのだろうか。

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